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【特別寄稿】パチスロ6.1号機の適合状況と、懸念される問題点/鈴木政博

投稿日:2020年7月27日 更新日:

3.低ベースAT機の問題点の推察
まず考えられるのは、どのようなナビを出せるのか、という点だ。ファンからすれば「1枚役+AT抽選or15枚役」というナビは、非常に分かりにくい。例えば「1・3・2→1枚役+AT抽選/それ以外→15枚役」なんてナビが出るのは、当初はかなり戸惑うだろう。

ファンにとって最も遊技しやすいものと考えると、通常時は「1・3・2」などとシンプルに「1枚役のみナビ」してもらうのがベストだ。さらにいうなら、これがAT中なら「15枚役のみナビ」してくれるなら、純増枚数もアップするためさらに良い。目指したいのは、コレだろう。

ただし、現時点では適合情報が出ていないため、どんなナビならOKなのかが分からない。つまり「1枚役+AT抽選or15枚役」というゲームで、どちらか一方だけのナビを出すことはOKなのか、さらにいえば同一状態のゲームで「通常時は1枚役をナビ」「AT中は15枚役をナビ」というやり方が許されるのかどうかも現時点では分からない。

しかし、現時点で「17,500G試験の下限がクリアできず不適合」という事例が目立つという事実を考えれば、このあたりに問題点が隠れている可能性も否定はできない。まず「実射打ち」で下限値を下回るケースは、あまり考えられない。通常パチスロは設定1でも出玉率90%以上に設計されているので、いくら試験時にヒキ弱だったとしても、17,500Gも回して60%を下回ることは、ほとんどないだろう。

次に「ランダム打ち」時に、例えば順押しならずっと順押しで試験した場合、こちらも17,500Gで下限60%をクリアできないことは、ほぼありえないだろう。前述したようにAT機の場合は「ずっと通常時」と同一性能なので、通常時にずっと順押し消化をした場合は「15枚役は割と成立するが、ATには入らない」状態が続き、単なる高ベース機と化すからだ。これを遊技者が「1枚役ナビ」に従うことで、ホールではATにも突入する低ベース機となる。

考えられるケースとしては、型式試験のランダム打ち時に、ナビに従って「1枚役を取る」という打ち方をしている可能性だ。「1枚役+AT抽選or15枚役」時に1枚役だけを取り続ければ、これは確実に下限出玉率60%を下回り不適合となる。

現状、下限出玉率で不適合となる事例があるとすれば、この「ランダム打ちで1枚役を取っている」可能性は十分にある。ではなぜ「1枚役を取る」のか。これは試験方法の問題なので分からないが、例えば通常時に「1枚役」のみをナビしている場合は、これに従っているということも考えられる。通常時に出る「1・3・2」や「2・3・1」というナビは全て1枚役のみを告知している、という場合、ランダム打ちであっても「通常時のみ押し順ナビに従う」打ち方をしているかもしれない。また、業界側と行政側で、この試験方法についての具体的な話し合いが、このコロナ禍で進んでいないという事もあるかもしれない。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、旧基準機の経過措置が延長されたこと自体は業界として歓迎すべきことではあるものの、6.1号機の適合が出ないというのは大きな問題だ。そもそも6.0号機AT機が苦戦した大きな理由は「ベースの高さ」だろう。この点が改善された「低ベース6.1号機」が早くホールに導入されることを切に祈りたい。
(以上)

■ プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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