【メーカー関連ニュース】
■パチンコメーカー「愛喜」がFacebookで廃業報告
パチンコメーカー「愛喜」は昨年9月29日をもって廃業したことをSNS「Facebook」の公式アカウント上で発表した。
9月28日の投稿では「愛喜を愛して下さった皆様にご報告です。令和3年9月29日を持ちまして愛喜の営業は終了します。7年の間応援して下さり、心から感謝します。」と報告。30日には「29日で全ての業務が終了しました。後始末だけきちんと終えて新しく出発します。皆さんもお健やかにお過ごしください。有難う御座います。」と正式に廃業報告を行った。
同社は2014年2月に設立されたパチンコメーカーで、本社は埼玉県春日部市、代表者は小林慶子氏。日工組には非加盟。過去には「CRAコスモアタック7」「CRAコスモパニック10」などを販売し、直近では2020年12月に「PA祭」を発売していた。
■部材不足で販売延期が相次ぐ
昨年3月3日、サンセイアールアンドディは取引様各位に対し「P牙狼 月虹ノ旅人」の納品が4月18日から6月20日になると知らせた。その後も京楽産業.では「Pぱちんこ乃木坂46」や「Pぱちんこキン肉マン3」が、ビスティでは「P新世紀エヴァンゲリオン15 未来への咆哮」が、ニューギンでは「P真・花の慶次3」、藤商事では「Pとある科学の超電磁砲」がそれぞれ発売を延期した。さらに平和では昨年7月21日、10月にホール導入を予定していた「パチスロバキ 強くなりたくば喰らえ!!!」の販売を中止すると発表。同社は販売中止の理由を”部材調達の兼ね合いから”としており、世界的な半導体不足の影響によるものと見られる。部材不足は世界的な問題だが、一刻も早く終息する事を祈りたい。
■横浜市長選挙の結果を受け、セガサミーHDが横浜市IR事業への参画を中止
昨年8月22日に投開票された横浜市長選で、カジノ反対派で無所属新人の山中竹春氏が当選したことを受け、9月10日に横浜市は特定複合観光施設(IR施設)の設置運営事業予定者の公募の中止を決定。セガサミーホールディングも9月10日、横浜市における統合型リゾート事業(IR事業)への参画を中止すると発表した。
同社は、昨年6月に日本国内におけるIR事業への参画を目指して、リゾート施設運営企業であるゲンティン・シンガポール・リミテッド(Genting Singapore Limited)と協業し、綜合警備保障株式会社、鹿島建設株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社大林組とともにコンソーシアムを組成し、同市の実施する特定複合観光施設設置運営予定者の公募に応募することを公表していた。
【ホール関連ニュース】
■大阪福祉防犯協会会員ホール「フリーダム」でワクチン接種を実施
大阪福祉防犯協会(高智茂会長)加盟会員のパチンコホール「フリーダム」(大阪市北区/㈱アバンス・平川順基代表)を会場に昨年9月13~14日の2日間、同社従業員をはじめ、地域の飲食店組合や地元商店街の関係者、近隣の住民など1,500人を対象とする新型コロナウイルス・ワクチン職域接種が行われた。
会場では1日につきそれぞれ30人の医師、看護師、薬剤師が対応。店内の遊技台の島をそのまま利用し、予約して訪れた接種希望者は1台おきに着席するとともに、医師や看護師は通路を移動しながら順番に予診と接種を行った。接種後の待機時間は、呼出ランプのタイマー機能を利用し、万一、体調に変化があれば、呼出ランプにより早急に対応できる体制を取った。また、ゆったりとした通路で、遊技椅子も回転できることから、接種希望者の利き腕に応じて、左右どちらからもスムーズに接種が行える他、徹底された換気システム、パーテーション設置でのパーソナル空間の確保など、ホールの持つポテンシャルが役立った。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大が終息しない事に加え、旧基準機の撤去計画やパチスロ6号機の性能なども相まって、ホールでは稼働が下げ止まったまま戻らないなど、業界全体としては苦しい一年間だった。今年いつコロナ禍が終息するのかは分からないが、旧基準機が完全撤去された以降の市場を継続する、という正念場を迎えることとなる。一方で管理遊技機など、遊技機性能の規制緩和には一定の期待感は持てそうだ。進化していくぱちんこの明るい未来を願いつつ、レジャーの一つとして世間の注目が戻る事にも期待したい。本年もよろしくお願い致します。
(以上)
■プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。