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【特別寄稿】2021年「遊技業関連10大ニュース」の総括(WEB版)/鈴木政博

投稿日:2022年1月3日 更新日:

皆様、新年明けましておめでとうございます。一昨年から始まった新型コロナウイルス感染拡大は、昨年も収まる気配を見せずコロナ禍に明け暮れた一年間となった。遊技業界でも旧基準機の撤去期限を迎える中での半導体不足による新機種発売延期が相次ぎ、混乱を招いた。さて今回も毎年恒例ではあるが、昨年の主な出来事の中から、10大ニュースとしてそれらの経過や現状を踏まえた上で総括してみたい。

【行政関連ニュース】
■新型コロナウイル感染拡大で緊急事態宣言が繰り返し発出
昨年は新型コロナ感染拡大とともに迎えた一年となった。昨年1月7日夕、菅義偉首相(当時)は一昨年4月7日以来となる二度目の緊急事態宣言を発出。対象区域は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県。3月21日には一旦解除されるものの、翌月4月23日夜には三度目の緊急事態宣言を発出した。対象区域は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県だったが、5月12日には愛知、福岡を、16日には北海道、岡山、広島を、23日には沖縄を対象地区に追加した。6月17日には沖縄以外の9都府県では一旦解除され、7都府県では「まん延防止等重点措置」に移行するものの、また翌月の7月12日には四度目の緊急事態宣言が発出。対象区域は19都道府県に達し、オリンピック開催中を含め9月末まで続いた。東京都では、昨年1月~9月末までの間で「緊急事態宣言」「まん延防止等重点措置」のどちらも発出されていない日は28日間しかない、という非日常が連日続き、ホール稼働が下げ止まったままという状況へ一定の影響を与えた。

【組合関連ニュース】
■日電協と日工組がパチスロ機の「1500ゲームリミッタ規制」廃止
日電協と日工組は昨年4月15日、パチスロ機の有利区間の終了条件のひとつである「1500ゲームリミッタ規制」の廃止を決定したことを発表した。ゲーム性のさらなる向上が目的。主な内容は以下の通り。

1. 現行基準で1,500Gまでとなっている有利区間について、まずは第1段階として5月20日以降の型式試験持ち込み分より3,000Gへ延長する
2. 時期は未定だが、第2段階として業界で推進している「メダルレス遊技機」から有利区間ゲーム数を完全撤廃する

昨年9月より大一商会「うしおととら 雷槍一閃」を皮切りにコナミアミューズメント「マジカルハロウィン~Trick or Treat!~」、サミー「パチスロANEMONE交響詩篇エウレカセブンHI-EVOLUTION」やエフ「パチスロGANTZ極」などが続々導入された。今後のさらなる緩和に期待したい。

■管理遊技機への取り組みが進む
前項でパチスロ管理遊技機(メダルレス遊技機)の有利区間ゲーム数を撤廃する意向を書いたが、パチンコでも昨年7月6日に行われた、日工組第15代理事長に就任した榎本善紀氏への合同インタビューにて榎本氏が管理遊技機について語った。

──スマートパチンコの開発目的を具体的にお願いできますか?
榎本氏 メーカーが多彩な機械を作り、ホール様も選択肢が増えるということは目的のひとつにありますし、さらに将来、キャッシュレス化など新時代に伴う変化に対応できるアイテムとして位置付けています。
──遊タイム機のような新しいゲーム性が搭載される可能性もありますか?
榎本氏 新しいゲーム性の一部がスマートパチンコではできるようになったり、プラスαのゲーム性が作れるように検討しています。現状まだ詳細は控えますが、この夏までにある程度皆様にお話ができるようになればと思います。
──管理遊技機(スマートパチンコ)の進捗状況をお聞かせください。また、業界にもたらすメリットについてはどのようにお考えでしょうか?
榎本氏 7月2日の組合員会議では、日工組として来年4月を目標に準備を進めていくことを決議しています。2024年には紙幣が刷新されますし、ホール様は否が応でもユニットを触らなければなりません。それまでには、集客や収益面で将来へのプラス投資として捉えて頂けるようにしていきますし、機械代の削減にも繋がる可能性があるスマートパチンコであることに間違いありません。

当初の4月目標は若干遅れが出ているとの話も聞かれるが、いずれにしても管理遊技機の動向には、今年は注視していくべきだろう。

■日工組が28時間生配信「みんなのパチンコフェスONLINE2021」を開催
同フェスは日工組主催のもと、2019年2月に秋葉原にてパチンコの楽しさ・パチンコの価値をより多くの人へ届けることを目的に開催されたファンイベント。初のオンライン形式で2年半ぶりに実施された同イベントは、8月13日から14日にかけてYouTubeとTwitterで28時間生配信し、「パチンコ実践」「エンタメ・バラエティ」「日工組発信」「視聴者参加型」と、用意された様々なコンテンツで人気芸人やパチンコライター、パチンコ系YouTuberなど総勢30名以上のゲストが新規則パチンコ機の魅力をたっぷりとお届けした。視聴延数は124万PVを記録し、大きな反響があった。

■全日遊連、茨城・栃木両県理事に辞任勧告
全日遊連は昨年3月11日、都内港区の第一ホテル東京で全国理事会を開き、「21世紀会決議の遵守」の再徹底について未撤去の旧規則機の「即時撤去」を決議するとともに、全日遊連理事として21世紀会決議を遵守していないとして、平文暉朗理事(茨城県遊協理事長)と金淳次理事(栃木県遊協理事長)に対し、辞任勧告を行った。全日遊連の理事に対する辞任勧告は初めてのこととなった。

■東京都遊協が「パールショップともえ町田609」の組合員資格停止を決議
東京都遊技業協同組合は昨年1月27日、東京・市ヶ谷の遊技会館で1月定例理事会を開催し、「株式会社カクタ・パールショップともえ町田609」の組合員資格の停止を決議した。同店に対する組合員資格停止の処分は2度目で、昨年8月12日には8月定例理事会にて「株式会社カクタ・パールショップともえ町田609」の3度目となる組合員資格停止も賛成多数で可決された。前項の勧告も含め、旧基準機撤去の経過措置延長に対応するための、高射幸性機遊技機等撤去の自浄能力を業界団体が問われる中での厳しい処分となった。

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