前回のコラムでは「遊タイム」搭載機の導入や、少し変わった見せ方やスペックのぱちんこ遊技機が多数発表されて盛り返しを見せていると書いたが、その後さらに京楽産業.より、業界初とされる「ジャックポットシステム」が発表された。今回はこの機種について性能や特徴はどのようなものか、考察してみたい。
1. 電サポ回数の振り分けについて
ぱちんこ遊技機において、状態により電サポ回数の振り分けが変わる遊技機は多い。基本的には以下の4状態において、電サポ回数の設定が別途できることとなっている。
a. 低確率時・非電サポ時(通常時) b. 低確率時・電サポ時(時短中) c. 高確率時・非電サポ時(潜伏中または小当たりRUSH中) d. 高確率時・電サポ時(確変中) |
これは、同じ大当たりを引いても、その大当たりを引いた状態によって電サポ回数の設定を変えられる、という意味だ。
例として、藤商事製「PA地獄少女 宵伽FDZ設定付」の場合、4R通常の大当たりを引いた時に、通常時(a.)、確変中(d.)状態で引いた場合は「時短15回」となるが、同じ大当たりを時短中(b.)に引いた場合は「時短40回」となるよう設定されている。これは「時短15回」という短い中で再度、通常を引いてしまった時の救済措置のようなものだ。
また発表され注目を集めている三洋物産製「P大海物語4スペシャル」では、10R通常の大当たりを引いた場合、通常時(a.)に引いた場合は「時短100回」となるが、時短中(b.)、確変中(d.)に引いた場合は「時短120回」となるよう設定されている。このケースは主に、電サポ突入時の期待回数アップを狙って行われるものだ。
他にも、例えば少し前のエヴァンゲリオン甘デジなどであった、30回STだが電サポは15回しかなく残り15回は潜伏する台であれば、潜伏中(c.)に引いた場合は電サポが100回付きRUSHに突入するものや、また小当たりRUSH機であれば、例えば京楽産業.製「ぱちんこ必殺仕事人 総出陣」のように、他の状態なら電サポ状態となる4R確変を引いた場合でも、小当たりRUSH中(c.)に引いた場合は引き続き小当たりRUSHが継続するよう「電サポなし」になる機種など、様々なパターンがある。
2. 主流の「超RUSH」について
最近では、通常のRUSHよりさらに上位の「超RUSH」状態を搭載した遊技機がいくつか発売されていた。例を挙げると、ともに「一種+二種タイプ」の藤商事製「P貞子vs伽椰子 頂上決戦」や、大一商会製「Pひぐらしのなく頃に~廻~」などだ。この二つに共通している仕組みは、右打ち中「電サポ中の大当たりは全て電サポ100回付の大当たりとなる」点。どちらも最初の大当たりは「時短1回」となっており、この時短1回の1回転目で大当たりした場合は電サポ中の大当たりなので次回は時短100回と事実上次回確定となるが、2回転目以降の残保留は電サポ終了後の大当たりとなるので時短回数は少なくなる。
ただし仕様上、どちらも100回時短は事実上「次回大当たり確定」となり、それ以降も「100回時短中は、ほぼ確実に電サポ中の大当たり」となるので、次もまた100回時短となり、一度100回時短を引くと永久連チャン状態となってしまう。そこで終了条件が必要となるが、「貞子vs伽椰子」では3回リミッターを搭載、「ひぐらしのなく頃に」では「特定小当たりで電サポ終了」という仕組みを採用している。
しかし今回、京楽産業.から発表された「業界初“JACK POT”を搭載した新スペック」は今までのものと少し内容が違うようだ。これはどのようなものなのか。
3. 「ジャックポットシステム」搭載機の登場
今回発表された「業界初“JACK POT”を搭載した新スペック」としては、京楽産業.製「ぱちんこ 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ キュゥべえver.」と、フィールズから発売の発表があった同じく京楽産業.製「ぱちんこ ウルトラセブン 超乱舞」にも搭載されているようだ。
まず「ぱちんこ劇場版 魔法少女まどか☆マギカ キュゥべえver.」から簡単に説明すると、一種二種の甘デジで、RUSHには時短25回+残保留4個の「マギカ☆RUSH」と、時短295回+残保留4個で事実上、ほぼ次回確定となる「アルティメットRUSH」の2つがあり、この「アルティメットRUSH」のシステムが「ジャックポット」と呼ばれている。特徴としては、この「アルティメットRUSH」に突入する割合は10.1%しかないものの、一度突入すると「アルティメットRUSH」が50.3%で継続する、という点。つまり、通常RUSH中にこの50.3%ある10R大当たりを引いても、「アルティメットRUSH」に突入するのはその5分の1程度だが、一度突入したら、10R大当たりを引く限り必ず「アルティメットRUSH」が続く。
次に「ぱちんこ ウルトラセブン 超乱舞」だが、詳細スペックの発表を待つまで定かではないものの、こちらも一種二種のライトミドル。RUSHには時短55回、95回、496回の3種類あり、それぞれ残保留4個が付く。通常の「乱舞RUSH」であればこの時短55回、95回、496回が振り分けられるが、一度でも25.5%ある時短496回を引くと「超乱舞」となり、以降は時短55回が選ばれることなく、最低でも時短回数が95回となる仕組みのようだ。