全遊振は12月10日、第8期第7回WEBセミナーを開催した。
セミナーの講師は、NPO法人横浜子育て勉強会の藤崎達弘理事長とフリーライターのPOKKA吉田氏の2名。藤崎理事長は、イタリア初の女性医師マリア・モンテッソーリが考案した教育法「モンテッソーリ教育」を解説しながら、ストレス耐性やコミュニケーション能力といった数値化できない非認知スキルを幼少期から伸ばすことの重要性や、企業に置き換えた正しい成長サイクルなどを語った。
POKKA吉田氏は「2021年、新規則機完全移行時代の業界環境」をテーマに、来年市場投入されると言われる次世代遊技機の見通しや2021年の市場を展望した。
同氏は次世代遊技機の変遷を説明する中で、普及するためのポイントとして性能規制(出玉性能)と販売価格の2点を挙げ、性能規制については、何らかのアドバンテージが次世代遊技機に備わっているのかが最も気になる注目点だとし「メーカー団体は長い間検討していると思うが、現行規則の中で性能格差は設けることはできない。次世代遊技機の出玉データは外部で一元管理されるため、ルールを守ることを前提に総量規制や上限の引き上げ、2400枚規制など自主規制の撤廃という方向にいくことが理想的」と述べるなどした。
また、価格面については「共通部材である程度の値上げ圧力は抑えられるかもしれないが、共通枠として導入されてもメーカーが違うとスムーズにパネル替えができるのかといわれると懸念がある。メダルレス遊技機は既存機と大きく変わるため一から筐体を作れないメーカーも出てくる可能性もあり、そうした場合に例えばジーグ社が安価な筐体を開発できるなどすれば、中堅から弱小メーカーになるほど値段は抑えられるはず。そもそも購入は性能ポテンシャルが明らかになったときに検討しても十分間に合う」と見通しを示した。
終盤では、2021年の遊技業界の在り方についても言及。新型コロナの感染拡大に伴い苦境に立たされた映画業界が、劇場版「鬼滅の刃」のヒットによってわずか2か月足らずで復活したことについて「映画館は我々パチンコ業界よりも置かれていた状況は苦しかったはずだが、ひとつのヒットコンテンツが出れば一気にマーケットは変わることを再認識した。今年は『韋駄天』と『とある』は評価すべき機種だが台数は全く足りていない。パチンコもパチスロもメガヒットするくらいの遊技機を出せる環境を作ることが最重要課題」と強調。規制緩和を実現させるためにも21世紀会決議の遵守は必須で、多方面で動きを進める団体トップの足を引っ張る一部の違反店舗に苦言を呈した。