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【特別寄稿】「SUPER 小当たり RUSH 機能搭載機」の考察(前篇)/鈴木政博の遊技産業考現学(WEB版①)

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2.「CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~アネモネVer.」に見る攻略対策

昨年発売されたソフィア製「CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~アネモネVer.」には、実は様々な工夫がなされている。内容的には、いわゆる「攻略対策」の点だ。

この機種は、電チューは非搭載で、特図2は「ヘソ」となっている。したがって、いきなり右打ちすると当然、盤面右側にある「特図2が変動するヘソ」に頻繁に入賞してしまう。この「遊技者がいきなり右打ちする」という攻略法対策のために、通常時にいきなり右打ちすると「警告音」が鳴るが、それだけでは攻略対策としては心もとない。そこで通常時は、特図2の変動時間を「非常に長くする」ことで、いきなり右打ちしても特図2がいつまでたっても停止しない、という対策が主に考えられた。例えば変動秒数が「15時間」であれば、いきなり右打ちしても一日の営業時間内に停止することは絶対にないので、事実上、いきなり右打ちしても攻略にならない、というものだ。

しかし型式試験において、この「遊技者が体感できないほど長い変動秒数」は認められなかったようだ。現状では、最大でも600秒(10分)程度が変動秒数の最大値であると考えられる。したがって、何らかの攻略対策を講ずる必要がある。

まずは小当たり。600秒待って、そこだけ打ち出しすれば毎回小当たりで15発~30発程度取れるなら、攻略してみようという考えが起こる。そこで小当たりに関しては、その開放中だけを発射されないよう、数種類の変動パターンをもうければ良い。例えば「500秒変動~600秒変動」までの間で、10パターンくらい変動秒数をもうければ、遊技者はそのすべてで3発程度は打ち出すしかなくなり、そうなるとほぼ玉を増やすことはできなくなる。

次に大当たりだが、600秒変動であれば、一時間に6回転しか停止しない。一日中、特図2を回しても80回転~90回転が限界だろう。大当たり確率にもよるが、一日中、右に1~3発打ち出して特図2を回し、600秒待つ、という作業を繰り返しても、大当たりまで結びつく可能性は低い。しかもかなり目立つため、現実的に実行は不可能だろう。

最後に、最も可能性のある攻略が「右に1~2発打ち出して特図2を回し、その状態のまま、左打ちに戻して特図1も回す」という打ち方だ。これなら、普通に特図1を回す打ち方に加えて、万が一に特図2でも大当たりするかもしれない。ほとんど損せず、もしかしたら特図2で当たるかもしれない可能性も拾え、さらにあまり目立たない。

「CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~アネモネVer.」では、この攻略対策もなされている。普通に通常時に特図1を回していると、リーチのたびに毎回、通常変動でもたまに「小当たり」が発生する。この小当たりはパカパカで、玉の拾わない動きのものだ。この一見、意味のない動作により、攻略対策をしていると考えられる。まずは以下の部分(別表3)をご覧いただきたい。

(別表3)「技術上の規格解釈基準」より抜粋

(3)「別表第四ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格」関係

(1)ヘ(ヲ)

遊技機が、特別図柄表示装置を二個設け、かつ、一の特別図柄表示装置に一の条件装置又は特別電動役物を作動させることとなる図柄の組合せが表示された時から当該条件装置又は特別電動役物の作動が終了する時までの間、別の特別図柄表示装置に対して、

・条件装置及び特別電動役物を作動させることとならない図柄で停止し、かつ、そのままの状態で表示を継続する

・あらかじめ定められた変動時間の計測を中断した上で、図柄を停止させない

という制御を行わない場合には、特別電動役物が作動している間に特別図柄表示装置が作動していると解するため、当該遊技機の制御を行わない性能は、本規定に抵触する。

この「CR交響詩篇エウレカセブン~真の約束の地~アネモネVer.」に関していえば、いきなり右打ちして特図2を回した後に、左打ちして特図1を回している場合には、特図1で「小当たり」が発生した瞬間に、特図2は「特別電動役物を作動させることとならない図柄で停止」する。つまり、特図1で小当たりが発生する度に特図2は「強制的にハズレ停止」する訳だ。これら機能をふまえると、事実上、攻略はできない仕様になっていると言える。

では、アネモネをはじめ逆転裁判においても、なぜ攻略される危険を冒してまで「特図2をヘソ」にしているのか。実際に、今回発表されたマルホン製「CRソルジャー」では、特図2を「電チュー」にしている。それであれば、ソルジャーは通常時にいきなり右打ちしたらどうなるのか。このあたりの疑問については中篇にて解説したい。

(以下、中篇に続く)

■プロフィール
・鈴木 政博 ≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫
立命館大学産業社会学部卒業後、ホール経営企業の管理部・営業本部を経て㈱リム入社。業界向けセミナーの開催や新機種FAX情報編集を統括、新機種の導入アドバイザー、経営コンサルタントとして活動。2002年、㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。Mail:msuzuki_u3ken@ybb.ne.jp

※本稿は本誌4月号(3月25日発行)の記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。

 

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