【特別寄稿】c時短を活用した「ぱちんこチャンスゾーン」の考察(WEB版)/鈴木政博

4. 「c時短を利用したCZ(チャンスゾーン)」の仕組み
それではこの「CZ(チャンスゾーン)」の仕組みについて考えてみたい。ご想像の通り、このCZ中は、実は「時短中」だ。ただし、通常時よりも、ほんの少し「電チュー開放時間」が長かったり、若干「普通図柄停止秒数」が短いにすぎない。つまり、通常時よりも優遇された状態であり「時短中」であるのは確かなものの、実際には右打ちしても電チューが拾うことはない。したがって、左打ちせざるを得ない。この状態が「CZ(チャンスゾーン)」だ。

例えば、今度導入される西陣(ソフィア製)の「PハイスクールD×D 真紅」の特図1の振り分けは、以下のようになっている。

1_PハイスクールD×D 真紅_特図1

つまり、通常時(非電サポ時)は、ヘソの大当たりは100%「時短4回+残保留4個」だが、「超絶領域」と呼ばれるCZ(チャンスゾーン)中は、実際には電チューが全く拾わない状態ではあるが仕様上は「電サポ中」なので、この状態に大当たりすると100%「時短30回+残保留4個」になるため、RUSH突入率が100%となる。正式発表前ではあるが、京楽産業.「ぱちんこキン肉マン3 キン肉星王位争奪戦(火事場ゴールド/友情シルバー)」も同じ仕組みが採用されていると考えられる。

ちなみにこの機種の場合、CZ中に再度c時短を引いても無効だが、CZの最終回転にc時短を引いた場合のみ有効となり、CZに再突入する。これは、最終回転の変動開始後、早い段階で電サポが終了するため、実際にc時短ハズレ出目停止時には非電サポ状態、とカウントされるためだと考えられる。

では西陣(エース電研製)「P刀使ノ巫女(とじのみこ)」はどうか。こちらも同じく「絶対領域」と呼ばれるCZ(チャンスゾーン)中は、電チューが全く拾わない状態ではあるが「電サポ中」だ。したがって、以下のような振り分けになる。

2_P刀使ノ巫女_特図1

この機種の場合、電サポ中も「拾わない電サポ」となるCZ突入が設定されているため、CZ中も100%RUSH突入とはならない。したがって、実際にRUSH突入後も、ヘソが回ってしまうとRUSH→CZに転落してしまう可能性がゼロではないので注意が必要だ。一方でCZ中にはc時短が有効となるため、大当たりする確率が倍増し事実上99.9分の1となる。よって「絶対領域」と呼ばれるCZ(チャンスゾーン)中は以下の振り分けになる。

3_P刀使ノ巫女_チャンスゾーン

なお通常時(非電サポ時)にも実際には「c時短」の抽選自体は同一の199.8分の1でなされていると推測されるが、通常時に引いたc時短は事実上、ほぼ無効と同一の仕様になっていると考えられる。

さらに、この機種の場合、CZ中に再度c時短を引いても無効だが、CZの最終回転にc時短を引いた場合のみ有効となり、CZに再突入する。これは、最終回転の変動開始後すぐに電サポが終了するため、実際にc時短ハズレ出目停止時には非電サポ状態、とカウントされるためだ。正式発表前ではあるが、藤商事から発売予定の「Pアレジンプレミアム」も、同じようなCZを利用した天国モードが搭載されていると推測される。

この「c時短」を活用した「ぱちんこチャンスゾーン」の登場によって今後、さらにゲーム性が大きく広がることが想定できる。パチスロの苦境は現在も継続中だが、ぱちんこ遊技機がより進化しファンが広がることを強く望む。

(以上)

■プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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