【特別寄稿】管理遊技機について(後篇)(WEB版)/鈴木政博

2. 管理遊技機がP機やS機より優遇される点は?
業界の歴史を振り返ると、1990年の規則改正で確率変動が認められ、以降、当時大人気だった「保留玉連チャン機」などの、確率変動がないのに何故か連チャンする遊技機は徐々に姿を消す運命となる。しかしこの時、警察庁の意向で業界健全化のため「インのクリア」がなされる「CR機」の導入促進が謳われていた。ただし現金機と違い、CR機の導入には「CRユニット」を購入する必要があった。ホールとしては、現金機とCR機の違いが無ければ、あえてコストを増やしてまでCR機を導入する必要性がない。そこで警察庁の意向を汲んだ業界側は「確率変動はCR機にのみ搭載できる」とし、現金機には確率変動は搭載されなかった。

結果としてCR機の導入は急激に進み、ぱちんこの現金機はやがて姿を消すこととなる。しかし、この時の流れが「ダブルスタンダードではないか」と後に批判も生むこととなった。

今回の「管理遊技機」も、状況としては1990年当時と全く同じ構図だ。しかし規則改正は10年スパンで、2018年に改正された規則が近くまた改正される可能性は極めて低い。したがって今回、管理遊技機がスペック的に優遇される可能性は「遊技機規則」の範囲内においては全く無いのは確かだろう。優遇される部分は「日工組内規」「日電協内規」などの、あくまで「内規部分」で自主規制している範囲内について、部分的に「管理遊技機」には内規緩和する、という流れとなる。

すでにパチスロについては、1,500Gから内規が緩和された「有利区間3,000G」について、管理遊技機はゲーム数においては完全撤廃することを明らかにしている。現状では管理遊技機でも未だ枚数制限「有利区間2,400枚」の上限は残っているが、そもそも管理遊技機は「インとアウト両方を第三者機関で監視できる」のが特徴であるため、今後発売される管理遊技機において「有利区間3,000G撤廃機でも型式試験上は全く性能に問題が無い」と証明されれば、次に「有利区間2,400枚撤廃」に向けて動くにあたっては、流れとしてはスムーズだ。

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