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【特別寄稿】管理遊技機について(後篇)(WEB版)/鈴木政博

投稿日:2021年11月1日 更新日:

また、ぱちんこ遊技機については現時点で「管理遊技機はどこが優遇されるか」というアナウンスは聞こえてこない。最も興味を持たれるのは「総量規制」の6,400個部分であるのは確かだが、現状のぱちんこ遊技機の射幸性や適合率から鑑みて、ここを緩和に持っていくのはかなり難易度が高そうだ。ただし内規で緩和されればバラエティが広がる部分は多数ある。例えば「確率下限1/320」などは、もし撤廃されれば、射幸性は変わらずとも「1,000円で40回、回せる台」なども開発が可能となる。また「遊タイム(b.時短)」での時短回数が低確率分母の3.8倍、というのも内規だ。3.8倍の回数時短は、ほぼ抜ける事はないものの、ホールを見渡せば時々、遊タイムスルーの台を見かけることはある。

さらには、業界側からの折衝により、保通協の型式試験方法が変更になることもある。発売されている「パチスロ低ベースAT機」は、この流れで実現したものだ。ぱちんこ遊技機においても、例えば「設定付きぱちんこ機」は適合率が低く、結果として性能が劣るため浸透していないが、これは「5台を持ち込んで、それぞれ設定1~設定6で出玉試験を行う」と試験時間が単純に6倍になり、不適合事例が発生しやすいためだ。これを例えば、出玉性能が逆転する「小当たりRUSH機」を除いた部分だけでも「出玉率上限は設定6で、出玉率下限は設定1で試験する」と試験方法が変わるだけでも、現行の設定なし遊技機と同等の状況になる。

早ければ来年春には登場する管理遊技機。10年後にはシェアのメインとなっているであろうことは推察できるが、ホールとしては直近のコストが必要なのも確かだ。新紙幣の発行でユニットの識別機更新が必要となる2024年までに、どれだけ人気の管理遊技機タイトルが出てくるかが鍵を握るだろう。「スマートパチンコ」「スマートパチスロ」の未来に期待したい。

(以上)

■プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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