2022年4月頃を目標に、管理遊技機の発売準備が進んでいる。未だ明らかにならない部分も多いものの、数社で既に保通協へ「管理遊技機」の型式で申請されており、各社でその準備を進行している状況となった。今回は、この管理遊技機について現状や課題を考察してみたい。
1. 管理遊技機の現状
管理遊技機について、公式に明らかになっているものは少ないが、いくつかある。一つは株式会社平和が5月14日に行った決算説明会だ。「決算説明会 質疑応答要旨」によると
──「管理遊技機(スマートパチンコ)」「メダルレス遊技機(スマートパチスロ)」の登場について触れていたが、これらによって市場は活性化するのか 平和 3~5 年後の市場については、「管理遊技機(スマートパチンコ)」「メダルレス遊技機(スマートパチスロ)」の市場評価によって大きく変わってくる。「管理遊技機(スマートパチンコ)」「メダルレス遊技機(スマートパチスロ)」ともに、ゲーム性の幅が広がることが見込まれており、これらの機械は来年 4 月以降に大々的に発表される予定である。これらの機械の市場評価が高ければ市場販売台数は伸びていくことも十分に考えられる。 |
と回答している。もう一つは7月6日に行われた、日工組第15代理事長に就任した榎本善紀氏への合同インタビューだ。ここで榎本氏は管理遊技機について
──スマートパチンコの開発目的を具体的にお願いできますか? 榎本 P機もゲーム性が上がってきていますが、今後さらにアップしていきます。パチンコの場合は売れ筋が偏るという傾向があるため、いかにその種類を増やし、集客力を上げ、ファンを増やしていけるかに尽きます。パチスロより歴史が長い分、パチンコはルールが多いので金太郎飴になりやすく、遊技機の画一化はユーザーが右肩下がりで減少した原因だとも考えます。メーカーが多彩な機械を作り、ホール様も選択肢が増えるということは目的のひとつにありますし、さらに将来、キャッシュレス化など新時代に伴う変化に対応できるアイテムとして位置付けています。 ──遊タイム機のような新しいゲーム性が搭載される可能性もありますか? 榎本 メーカーはこれまで、確率や継続率を変えるだけといったゲーム性を「設計」するというよりもただ「選ぶ」だけという状況が続いていましたが、ゲーム性の拡大により設計できることに近づいてきています。新しいゲーム性の一部がスマートパチンコではできるようになったり、プラスαのゲーム性が作れるように検討しています。現状まだ詳細は控えますが、この夏までにある程度皆様にお話ができるようになればと思います。 ──管理遊技機(スマートパチンコ)の進捗状況をお聞かせください。また、業界にもたらすメリットについてはどのようにお考えでしょうか? 榎本 現在のP機のゲーム性拡大はもとより、将来のビジネスを立て直し時代に合わせて進化させるという意味でも、特にパチンコの場合はP機を良くしながらなおかつプラスαでホール、メーカーのビジネスチャンスが増えるようなかたちでリリースできるよう計画を練っています。パチンコの場合はパチスロと違って、甘デジタイプにしたり、低貸しで使うなど2次、3次利用といったビジネスモデルもあります。購入してもらう責任として無駄にしないことを前提に、P機を盛り上げつつプラスαでスマートパチンコを普及できればと思いますし、投資負担というデメリットを抱えていることは十二分に理解していますが、それを背負ってでもプラスになるような物として仕上げていきます。7月2日の組合員会議では、日工組として来年4月を目標に準備を進めていくことを決議しています。2024年には紙幣が刷新されますし、ホール様は否が応でもユニットを触らなければなりません。それまでには、集客や収益面で将来へのプラス投資として捉えて頂けるようにしていきますし、機械代の削減にも繋がる可能性があるスマートパチンコであることに間違いありません。 |
と答えた。いずれも「2022年4月」とあり、ぱちんこは「日工組として来年4月を目標に準備を進めていくことを決議」、パチスロも「2022年4月以降に大々的に発表される予定」としている。