【特別寄稿】二度目の緊急事態宣言が発出。ぱちんこ店への影響や協力金は?(WEB版)/鈴木政博

1月7日、二度目となる緊急事態宣言が発出された。期間は1月8日から2月7日まで。対象は飲食店が中心で、午後8時までの時短営業要請がメインだ。今回は、二度目の緊急事態宣言による時短要請について、特措法や協力金などの制度、業界に与える影響について考えてみたい。

1. 二度目の緊急事態宣言
菅義偉首相は1月7日夜、昨年4月7日以来となる二度目の緊急事態宣言を発出した。これは新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づくもので、午後の対策本部で正式決定後、18時から首相官邸で記者会見を開き、発出したことを説明。改めて国民に協力と理解を求めた。

対象区域は東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で、期間は1月8日0時~2月7日までの1ヶ月間。時短要請の対象施設は、飲食店やカラオケ店など飲食をともなう商業施設。

昨年末より新規感染者が大幅に増加しており、東京では昨年大晦日に1,337人と初めて1,000人を超え、1月5日には1,278人、6日に1,591人、緊急事態宣言を発出した7日には2,447人とついに2,000人を超えた。全国でも5日に4,911人、6日には5,997人と初めて5,000人を超え、7日には7,569人と急拡大している。

2. 前回の緊急事態宣言との違い
昨年4月7日に安倍晋三首相が緊急事態宣言を発出した際には、小中学校は休校、高校、大学、専門学校や、塾などの多くも休校となった。博物館や美術館、図書館なども休業し、デパートなどの商業施設や映画館、スポーツクラブ、ゲームセンターやパチンコ店にも休業要請がなされ、その多くが要請に応じて休業した。

今回の緊急事態宣言は、これとは大きく異なる。まず「休校」や「休業要請」はない。今回あるのは「営業時短要請」のみで、要請時間は酒類の提供を午後7時まで、営業を午後8時までとしている。対象も飲食店と、飲食を伴う施設(カラオケ、スナック、キャバレー、ホストクラブなど)に限られる。

ただし、これまでの特措法と施行令では、飲食店に45条による休業や時短要請、指示などができない仕組みになっていたため、今回、施行令も同時に改正されている。

3. 特措法について
今回の改正部分を見る前に、まずは特措法での「休業・時短要請」と「指示」の部分についておさらいしてみたい。

「新型インフルエンザ等対策特別措置法」より抜粋

(都道府県対策本部長の権限)
第二十四条
9 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。

(感染を防止するための協力要請等)
第四十五条
2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。
3 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる。
4 特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。

まず特措法第24条9項に「公私の団体又は個人に対し」「必要な協力の要請をすることができる」とある。行うのは自治体の対策本部長、つまり知事だ。この24条については、自治体の対策本部が解散していなければ、緊急事態宣言下でなくても行うことができる。

前回東京都では、昨年5月25日に緊急事態宣言が解除されたにもかかわらず、6月1日以降25日まで全国で東京都のみが、ぱちんこ店への休業要請を続けた。この件では、全国でクラスターが発生し、厚生労働省の例示でも「クラスターの発生しやすい場所」とされる「スポーツジム」が「ステップ2」に分類され6月1日から解除されるのに対し、クラスター発生事例のない「パチンコ店」が「ステップ3」に分類されたまま休業要請が継続することに、業界内外でも異論が噴出。都遊協では、組合員に休業要請を行わないかわりに、専務理事を除く執行部が総辞職する事態にまで至ったのは記憶に新しい。この時の休業要請は「特措法24条」による「休業協力要請」だ。

次に特措法第45条2項による「施設の使用の制限」の要請、そして同3項による「指示」がある。この45条については3項に「遅滞なく、その旨を公表しなければならない」とあり、店名が公表される。昨年、全国でぱちんこ店の「店名を公表」する自治体が相次いだが、それがこの「特措法45条」による「施設の使用の制限要請」と「指示」だ。

ただしこの45条が行われた場合、応じなくても店名が公表されるだけで罰則規定はない。そこで現行の「指示」の上に新たに「命令」を設けて、過料50万円などの罰則規定を含める方向の法改正について、1月18日召集の通常国会で審議入りすることになっている。

次のページへ >

-コラム
-,