【特別寄稿】特殊なスペックのぱちんこ機について/鈴木政博

3. 突然時短を搭載
先月号でも触れたが、回転数での到達で発動する「遊タイム」とは違い、特定ハズレで発動する「突然時短(c.時短)」は現在、導入されている高尾製「P貞子3D2~呪われた12時間~」に、ヘソ特図1に「おまけ時短」が搭載されているが、発表されたサンセイR&D製「P真・牙狼」の場合は特図2に「突然時短」が搭載されている。ST中にこの「突然時短」を引いても無効だが、いざSTをスルーした直後の残り保留で引いた場合、残り保留消化時は既にST中ではないので「時短が発動」する仕組みだ。残保留4個で突然時短を引く確率は4.42%と低めだが、時短に当選すると時短回数は900回、900回でさらに遊タイムに突入するため実質900回+1,200回で2,100回時短となり、次回大当たりする割合は99.86%と事実上次回確定で、しかもRUSHも確定の仕様となっている。

4. 突然時短の今後の活用方法について
では今後、この特定ハズレで発動する「突然時短(c.時短)」はどのように活用される可能性があるのか考えてみたい。

まずは特図1に突然時短を搭載する場合。通常のミドルタイプでは「突然時短50回」などを搭載して引いても期待感は少ないが、例えば199分の1のST機、しかも右打ち中に再度大当たりを引かないとRUSHに突入しない、いわゆる「突破型タイプ」のような機械なら、通常時に「突然時短100回」があれば、これはかなり期待感のある状態となる。また一種二種タイプでも、例えば右打ち中7.5分の1程度、保留が4個ある機種で、通常時に「突然時短1回」が発動すれば、これも約50%でRUSH突入というかなり期待感のある状態を演出できる。このように、実際には出玉0個だがRUSH突入に挑戦できる状態、という演出を採用することにより、実質のヘソの出玉を減らし、右打ち中の期待出玉を強化することが可能かもしれない。

次に特図2に突然時短を搭載する場合。「P真・牙狼」では「後から引いた時短は無視して重複させないタイプ」だと推測されるが、もう一つの「後から引いた時短と今の時短の残り回数の多い方をとり重複させるタイプ」を採用した場合、新たに様々なゲーム性が考えられる。例えば特図2に突然時短を数種類搭載することにより、右打ち時短中にそれを引くと、パチスロのAT中のように「+28回」とか「+105回」という表示をして、実際に規定回数より時短回数を長引かせる、といった楽しみ方ができる。また一種二種タイプでも、例えば通常RUSH中の継続率は60%程度でも、特図2で「突然時短100回」を引いたら事実上次回確定になる、といった使い方も可能だ。

旧基準機の経過措置が延長されたとはいえ、計画的な旧基準機撤去は待ったなしだ。新たな新基準機ぱちんこの登場に期待が集まる中、ここにきてぱちんこ機自体に盛り上がりを感じられる現状には、非常に期待感がある。これからもコロナ禍を跳ね除け、ぱちんこ市場が活性化することを期待したい。
(以上)

■ プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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