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【コラム】継続率65%規制撤廃(後編)/ぱちんこ開発者の独り言

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ぱちんこ開発者の独り言59
継続率規制が撤廃されると、今現在よりも幅広いゲーム性を保持した遊技機開発が可能となるのは間違いない。優れた演出は、スペック性能とマッチングすることで最大のパフォーマンスを発揮することが可能となる。

【コラム】継続率65%規制撤廃(前編)/ぱちんこ開発者の独り言
【コラム】継続率65%規制撤廃(中編)/ぱちんこ開発者の独り言

例えば、バトルタイプと呼ばれる遊技機スペックの始まりは、京楽産業.から2005年に発売された「CRぱちんこウルトラセブンL77」であると世間では認識されている。当該機は、確変継続率82%を保持しており、約77%の確率で出玉アリ大当りであったため、高継続でバトルがループするスペックであった。

これらのバトル演出は、大当り確率1/315.5、確変継続率50%、5回リミッターの時には表現ができなかった演出であろうことが容易に想像つく。正確にいえば、ゲーム演出として実装は可能であるが、バトル継続率が50%、しかも5回連続して大当りした場合にバトルが終了するという演出は、さすがにゲーム演出として相応しくないため、あえて制作されなかったという方が正しい。すなわち、スペック性能の幅は、ゲーム構成や演出の幅と比例するといっても過言ではない。

他方で、大当り確率と期待出玉はリンクしており、初期投資金額がかさむスペックであれば、大当りした際の期待出玉は多くなる。継続率65%規制の場合、スペック構築をすると、1/300以下の所謂、ハイミドルスペックと呼ばれるスペック幅が制限されていた。

今現在、ユーザー視点でいえば、1/300以下のスペックはホールにおいて最も確率が深いスペック帯であり、最も投資金額がかさむスペックであろうと認識されている。一部、海物語などの王道スペックは除き、その多くのハイミドルスペックを保持した遊技機は、ユーザーの出玉期待度が非常に高い。

しかしながら、ユーザーが期待する1/300以下スペックの出玉の偏りは確変65%では非常に作りにくいのである。大当り継続回数がどうしても制限されるため、RUSH中1回の大当り出玉を多くする方法を取らざるを得なくなり、1回でも大当りを多く当てさせるために、ループタイプを選択しなければならないことが多かった。そのため、甘スペックやライトミドルスペックとは違い、ハイミドルスペックのスペックの幅及び、ゲーム演出の幅は狭まった状況であったのだ。

1回の大当り出玉最高値が10R1,500個になった場合、更に拍車をかけるような形であったのだが、継続率に制限がなくなったため、様々なスペックに連動し、様々なゲーム演出を開発できることになったのはプラスである。

何はともあれ、おおよそ3年ぶりに継続率を自由に設定できるようになった今、新しいスペックや新しいゲーム性の提案を心待ちにして頂きたいと思う。

■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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