パチンコ、パチスロ業界ニュース

『遊技日本』

【寄稿】パチンコ・パチスロ規制 規則改正案を最速徹底解説!①/鈴木政博の遊技産業考現学

投稿日:2017年7月13日 更新日:

前回の寄稿では「最大出玉の見直し」「ぱちんこ遊技機に設定を許可」「出玉率試験内容の見直し」「管理遊技機許可のための一部改正」という規則改正案の要点を説明したが、今回は新旧対照表の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」について、改正点それぞれに分かりやすく解説を付けた。

ぱちんこ遊技機の「著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準」から順に見てきたい。

→規則改正案の要点説明はこちら
→「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」のぱちんこ遊技機に関する解説はこちら

(著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準)
第八条  法第四条第四項の国家公安委員会規則で定める基準は、次の表の上欄に掲げる遊技機の種類の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定めるとおりとする。

■遊技機の種類 ぱちんこ遊技機
著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機の基準

(改正前)
三 一時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の三倍を超えることがある性能を有する遊技機であること、その他短時間に著しく多くの遊技球を獲得することができる性能を有する遊技機であること。

(改正案)
三 一時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の二・二倍を超えることがあるか、又はその三分の一を下回ることがある性能を有する遊技機であること、その他短時間に著しく多くの遊技球を獲得することができる性能を有する遊技機であること。

【解説】
短時間遊技の上限が300%から220%へ規制強化。さらに短時間には、33.33%の下限も設定された。これにより通常時ベースが現行日工組内規の30%から、事実上最低でも35%程度までアップすることになる。また1500個大当たりが4回で6000個のセーフが出るが、確変中は元々が出玉率100%に近く一時間で6000個近くをベースで払い出している状態のため、一時間以内に5回以上の大当たりが発生すると不適合になる可能性が高い。

(改正前)
なし

(改正案)
四 四時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合に おいて獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の一・五倍を超えることがあるか、又はその五分の二を下回ることがある性能を有する遊技機であること。

【解説】
今までなかった新たな試射試験。警察庁として「4時間遊技で5万円以上出るのは好ましくない」との考えから、事実上、4時間遊技では12000個(48000円相当)しか出ないようにするために追加された。さらに4時間遊技では下限40%以上も盛り込まれている。4時間大当たりしない場合の不適合のリスクを考えると、実質的にはベースは40%あった方が安全策となる。

(改正前)
四 十時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の二倍を超えることがあるか、又はその二分の一を下回ることがある性能を有する遊技機であること。

(改正案)
五 十時間にわたり遊技球を連続して発射させた場合において獲得することができる遊技球の数が発射させた遊技球の数の三分の四を超えることがあるか、又はその二分の一を下回ることがある性能を有する遊技機であること。

【解説】
中時間試験は「一日営業」を想定した時間での試射試験でぱちんこ遊技機では最も長時間のものだが、下限については50%と変更はないものの、上限が200%から3分の4(133.33%)へ抑制された。35個交換、40個交換など低交換率営業は今後かなり現実的でなくなるかもしれない。またこれだけ見ると、等価に近ければ出玉率133.3%なら現実的に可能なようにも見えるが、今までの試験の流れだと5台を持ち込んですべて50%~133.3%の間におさめなければならない。さらに後述する「設定機能」の導入もあり、仮に「設定6段階」だとすれば6設定×5台で30台試射試験するのと同等になり、そのうち一台でも133.4%を超えると不適合になる。適合率の観点からは大きな問題点であるといえる。

(改正前)
七 役物を連続して作動させるための特別の装置(以下「役物連続作動装置」という。)が設けられている遊技機にあつては、役物が連続して作動する回数が十六回を超える性能を有するものその他当該役物連続作動装置の作動により著しく多くの遊技球を獲得することができる性能を有するものであること。

(改正案)
八 役物を連続して作動させるための特別の装置(以下「役物連続作動装置」という。)が設けられている遊技機にあつては、役物が連続して作動する回数が十回を超える性能を有するものその他当該役物連続作動装置の作動により著しく多くの遊技球を獲得することができる性能を有するものであること。

【解説】
最大ラウンド数が16ラウンドから10ラウンドまでに規制。カウント10個、賞球15個は変更ないため、最大セーフは2400個から1500個となる。差玉でMAX1400個程度、その他入賞口まで含めても最大で差玉1500個あたりか。また1500個出すためには「10カウント・15賞球」しか手がないため、今までのように「15ラウンド・賞球10個・10カウント」にして1500個出すことにより大当たり時間を引き伸ばす、ということもできない。その意味では短時間試射対策にも影響は出そうだ。

次のページへ >

-コラム, 業界ニュース, 資料・統計
-,

Copyright© 『遊技日本』 , 2024 All Rights Reserved.