【特別寄稿】「2017 規則改正案」の考察/鈴木政博の遊技産業考現学(WEB版④)

4.『管理遊技機』許可のための一部改正
最後に管理遊技機について。こちらはパチンコ、パチスロともに案では部分改正されている。例えば「遊技球数表示装置」「遊技者が遊技球に触れることができない構造」「遊技メダル数表示装置」などが表記として出てくる。したがって、実際に玉には触れずに、デジタル表示で玉数やメダル数を表示するのみで最後に会員カードなどに持ち球デ-タを貯玉して遊技を終了するようなものが想定できるが、詳細部分については今回は触れられていない。したがって、管理遊技機については今後、さらなる追加や改正が行われるかもしれない。

5.今後の流れについて
パブリックコメントの意見募集は7月11日に開始、8月9日に締め切られる。14年前の流れと同じ進行度合いをたどるとすれば、締め切りから「パブリックコメント 意見等の処理結果 公表」まで13日だったことから今回は8月25日あたりまでに公表される見通しだ。とすれば、改正規則の公布が9月末または10月頭あたりだろう。今回は改正規則の施行日が年明け2月1日になる見込みであり、そうなると10月から年明け1月までの数か月で技術上の解釈基準のとりまとめや質疑応答集、日工組や日電協内規の検討など、かなりの作業を急ピッチで進めることになる。今後、さらに詳細な内容が随時判明してくるであろうし、当分の間はこの状況に注視しておく必要があるだろう。

なお、明日以降、本誌Webにて規則改正案の詳細解説を順次掲載していく予定。

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■プロフィール
・鈴木 政博 ≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫
立命館大学産業社会学部卒業後、ホール経営企業の管理部・営業本部を経て㈱リム入社。業界向けセミナーの開催や新機種FAX情報編集を統括、新機種の導入アドバイザー、経営コンサルタントとして活動。2002年、㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。Mail:msuzuki_u3ken@ybb.ne.jp

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