全日遊連は11月14日、都内港区の第一ホテル東京で全国理事会を開催。2019年1月末時点で高射幸性回胴式遊技機の設置比率を15%以下とするという自主規制の期日延期を決議した。新たな期日はパチスロ6号機の市場への供給状況等を観ながら改めて検討していくという。
自主規制は今年4月の全国理事会で実施が決議され、内容は今後3年間に渡り、毎年1月31日を基準日として、全国に設置している高射幸性回胴式遊技機の設置比率を段階的に減らしていくというもの。具体的には平成31年1月31日・・・設置台数の15%以下、平成32年1月31日・・・設置台数の5%以下、平成33年1月31日・・・設置台数の0%とした。
しかしその後、業界内ではパチスロ6号機の供給不足が露呈した。そのため同組合では、6号機の供給不足が想定されることと、市場に出回る中古機が品薄で価格が高騰していることから、「組合員ホールの遊技機入替が非常に難しい」ことを理由に、期日の延期も含めて自主規制の内容を再検討。その旨を10月30日付けの組合員向けの文書で伝えるとともに、その後は、自主規制の再検討を進めるため、関係方面と調整に入っていた。
9月末時点での全国ホールにおける高射幸性回胴式遊技機の設置比率は18%。ただしここ数カ月、その値はほぼ減ってない。とはいえ、既に設置比率15%以下を達成したホールが少なからずあり、また、大多数のホールが来年1月末の設置比率15%以下達成に向け、計画的に入替を進めていた。
そのため自主規制の期日を延期するという今回の案は、当の組合関係者でも賛否が大きく分かれた。理事会では、同案の審議に長時間を要し、最終的に挙手による決議が取られ、賛成多数で可決した。
理事会後の記者会見で阿部恭久理事長は、6号機の供給不足について「中古機を中心に営業されているホールも少なからずある。こういうところは来年1月に6号機の新台が発売されても導入できない。6号機が中古市場に出てくるのは新台が出てから3~4か月程度かかる。従って、10月末の状況をもとに、来年1月末の入替が厳しいと判断した」と説明。
今回の案に対して組合員の間で賛否が分かれた点については「全日遊連として決めたことなのに腰砕けに見えるのではなど、様々な意見があった。ただし、全日遊連として決められるのは、あくまで全ての組合員ホールが取り組めることだ。そう考えたとき、今の状況で全ての組合員ホールに来年1月末の入替を強いることは厳しいのではないかということで、ご理解頂いた」と、中小や弱小ホールの立場での期日延期だと話した。