㈱エンタテインメントビジネス総合研究所(藤田宏代表取締役)は10月30日、「第70回パチンコ景気動向指数(DI)調査」の調査結果を公表。収益や売上、粗利などから判断される全般的業況は、前回調査のマイナス23.4ポイントから7.2ポイント悪化し、マイナス30.6ポイント。3カ月後の見通しはマイナス47.6ポイントと、さらなる落ち込みを予想している。
本調査のトレンドウォッチは、来年2月1日に施行される規則改正の影響や今後の営業について。規則改正によって出玉の上限が現行の3分の2程度に引き下げられた際の影響ついて、「業界にとって」と「自社にとって」、それぞれ「良い」「どちらでもない」「悪い」で尋ねたところ、「業界にとって」は78.6%が、「自社にとって」は71.4%が「悪い」と回答。一方「良い」との回答は、「業界にとって」が7.1%、「自社にとって」は3.6%に留まった。
「悪い」と答えた理由については、「射幸性の低下とスペックのバランスが悪くなることで遊技客離れが起こる。遊技機性能が制限されることによって、ハイリターンを好むお客様は物足りなさを感じることになるだろう。また、遊びの幅を狭めることが客層を狭めることになり、結果的に遊技客を減少させることになると感じる」(22事業者)、「短期では特に売上や稼働、利益が減少すると予想される」(4事業者)、「出玉制限などローリターンばかりが強調して報道され、マイナスイメージが先行している」(3事業者)、「玉単価が減少で客滞率が上昇するとはいえ、遊技参加人口は減少するだろう。売上は落ちるが遊技機の入替は必要で、それに耐えられない事業者もあるため、店舗数の減少に拍車がかかる」(3事業者)など、「業界にとって」・「自社にとって」共に遊技参加人口・売上の減少を挙げる事業者が多かった。
また現行遊技機を撤去するまでの営業に関する取り組みについて、どのような対応を考えているか質問したところ、「減らす」割合が最も高かったのは「パチスロ遊技機購入費」(61.3%)で、ついで「パチンコ遊技機購入費」(46.8%)。また、「増やす」割合が最も高かったのは「低貸玉パチンコの台数割合」(14.8%)で、ついで「低貸メダルパチスロの台数割合」(11.7%)となっており、今後、低貸コーナーのさらなる増台が予想される。
同調査はパチンコ業界の景気動向の判定を目的に、同社が2000年6月より四半期ごとにホール企業を対象に実施しているアンケート調査。DI値はプラスなら景気拡大期、マイナスなら景気減速期と判定される。第70回目となる今回の調査は今年9月14日~9月29日にかけて実施され、56社のホール企業が回答した。