【寄稿】パチンコ・パチスロ規制 規則改正案を最速徹底解説!②/鈴木政博の遊技産業考現学

別表第2 技術上の規格における用語の意味(第6条関係)
(3)回胴式遊技機に係る用語の意味

第6条第2号に掲げる回胴式遊技機に係る用語の意味は、(1)に掲げるもののほか、次のとおりとする。

(改正前)
イ 「再遊技」とは、遊技メダル等の投入(貯留装置に係るボタンその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む。以下この表、別表第5、別表第6及び別表第7において同じ。)をすることによらずに行うことができる遊技をいう。

ワ 「設定変更装置」とは、設定を切り替える装置で、遊技機に備えられたボタン、レバーその他の装置の操作により作動するものをいう。

(改正案)
イ 「再遊技」とは、遊技メダル等の投入(貯留装置又は遊技メダル数表示装置に係るボタンその他の装置の操作により遊技メダルを遊技の用に供することを含む。以下この表、別表第5、別表第6及び別表第7において同じ。)をすることによらずに行うことができる遊技をいう。

ワ 「遊技メダル数表示装置」とは、遊技メダルの貸出若しくは入賞による獲得又は遊技メダルを遊技の用に供することを電磁的方法のみにより行う遊技機に備えられる装置であつて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技メダルの総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものをいう。

【解説】
管理遊技機実現のための追加。新たに「貯留装置」とは別に「遊技メダル数表示装置」を搭載可能とするために追記された。貯留装置と遊技メダル数表示装置の違いは、貯留装置は「入賞による獲得」「メダル投入」でしかデジタル表示できないが、遊技メダル数表示装置は「遊技メダルの貸出」を直接デジタル表示できるとしている点だ。

また、ぱちんこ遊技機では「遊技者が遊技球に触れることができない構造を有する遊技機」としており遊技球には触れないのに対し、パチスロの場合は「遊技メダルを遊技の用に供する」ことができるため、メダルに遊技者が触れる構造と考えられる。これは、パチンコは遊技球を視認できるため「デジタル表示の1=1遊技球」と確認できるのに対し、パチスロは構造上、貸メダルが直接デジタル表示され、遊技終了時に会員カードに貯玉されるような流れだと「一度もコインを視認せず」遊技ができる。つまり「デジタル表示の1=1コイン」と証明ができないため、その確認作業を可能にするためメダル投入が可能な構造にしないと「デジタル表示=現金」ととられかねない。したがって、あくまで「メダルを借りて、そのメダルで遊技している」ことを確認するためコインセレクター、払い出しホッパーが必要になる。しかしこれでは遊技機としてはコスト削減にならない上、さらにゴト対策などの観点からみると投入口が封入されないのは安全でないため、もしかすると回胴式遊技機の管理遊技機については、遊技球を使った「パロット」が復活してくる可能性は十分にある。

ワ に関しては、「設定変更装置」については前述したとおりパチンコにも設定搭載が可能となったことから「複数の種類の遊技機に共通する事項に係る用語の意味」部分に追記されたため、ここからは削除され、代わりに遊技メダル数表示装置の説明が入った。

別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係)
(3) その他の規格

(改正前)
ニ 主基板に装着される貸し出された遊技メダル等又は入賞により獲得された遊技メダル等を受け皿に送出するためのロム及びリードライトメモリーの総数は、すべての主基板を通じてそれぞれ1個を超えるものでないこと。

(改正案)
ニ 主基板に装着されるロム及びリードライトメモリーであつて、貸し出され若しくは入賞により獲得された遊技メダル等を受け皿に送出し、又は貸し出され若しくは入賞により獲得された遊技メダル等の数を示す信号を遊技球数表示装置若しくは遊技メダル数表示装置に送信するためのものの総数は、すべての主基板を通じてそれぞれ1個を超えるものでないこと。

【解説】
貯留装置以外に管理遊技機の場合は「遊技メダル数表示装置」が、管理遊技機のパロットの場合は「遊技球数表示装置」が可能になるため、ロム数制限の条項にそれらを追記している。

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