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【コラム】“彼ら”に協力させるのが店長の腕の見せ所/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題⑦

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■プロとは同じ目線で話してみよう
で、次はプロ対策。これは上で書いた関西の店じゃなく、中部でのハナシ。

当時問題になっていたのが「集団ノリ打ち軍団」や単独でも技術介入でバリバリ増やす連中。こういった連中もまるっきりバカじゃないんだから、目立ったらマズイってのは百も承知なワケでして、それでもバリバリやるのはイナゴ的な気分だからなんだ。一つのホールを追い出されても他に行けばイイって考え方ね。

そういう連中をハウスルールでガチガチに縛って遊技させないってのも店としては正解、決して間違いじゃない。でもさ、それは「大正解」じゃない。

当時のボクは、そんな連中(単独なら本人・集団ならボス)の横に座ったりして「まいど!ここの店長やけど!止め打ちめっちゃ上手いッスね!」って感じで対話を求めたのね。けっして「当店の店長でございますが!」じゃないよ←ココ重要。

そんなフランクに話しかけられると、相手も完全に豆鉄砲食らったような顔で「なんだコイツ?」と思いながらも、構えずに聞いてくれるのよ。自分がパチンコ大好きだからこそ、打ち手としての話も交えつつ「アンタの気持ちも分かるけど」みたいなノリで話していけば、今まで話さえ聞いてもらえなかった事はない。ほんとに一度もなかったな。

後は相手の技術を認め、決して違法でもなくこれが本来のパチンコのあるべき姿だと賞賛した上で、プロが店に与える事ができるメリット(出玉を一般客に見せる等)を理解させる。

「やり過ぎない」「店のメリットを最大限考慮する」「一般客は雇い主だと思え」の3つを本気で考えてくれるなら、ウチはこれからもキミ達を歓迎するし、考えてくれないなら商売の邪魔だから排除する。

だいたいここら辺まで話が進んだ頃には、相手も真剣に理解しようとしてくれてるし、こっちの立場も認めてくれてる。今まで敵対関係しか無かったホール側と、恐らく初めての友好条約締結の提案だろうから困惑の方が大きいんだろうけど、敵対意識はこの時点でほぼ完全に消えてると思われる。

そこからは相手の出方次第だけど、今までの経験上「もう来ない」or「本当に気を使いながら来てくれる」の二択。彼らもこれで食ってる以上、店側と敵対するのが一番疲れるだろうし、その問題がクリアされるのであれば店からの要望は飲んだ方が賢い。ただし、やはり稼ぎは好き放題やるよりは薄くなるんで、他の店で打てなくなった時の保険的な扱いになるんでしょうかね?圧倒的に「もう来ない」の方が多かったですね。

 

どうでしょう?一般的にはかなり特殊なやり方だとは思うけど、彼らが「店に協力しよう」と思って行動してくれる方が、店にとってはプラスだと思うんだよね。人が居る所に人が集まるのがパチンコ屋。例えプロ連中でも、店に活気を出す役目は十二分に担ってくれるし、数字的なマイナスポイントは使い方によってはペイできるんじゃない?そりゃあプロが居ても居なくても、朝から晩まで満台なお店なら意味ないですけどね。

ボクは店側が一段高い場所から見下ろしてモノ言うのは間違ってると思うんだな。だって彼らは、パチンコの本質的な「ハンドルとストップボタンで調整しながら穴を狙って玉を入れる」という行為を純粋にしているだけだしね。パチンコってそういう遊びなんだからさ。

ただ、手放しで放置してたら数字が持たないから何らかの手を打たなきゃならんのは分かる。排除に出るのは、一通り交渉して折り合いがつかなかってからでも遅くないんじゃないかな?店側がパチンコという文化を愛していれば、自ずとそういう結論になるハズだけどね。

おわり

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■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。

※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。

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