【特別寄稿】斬新な新スペックぱちんこ機について(WEB版)/鈴木政博

4. 藤商事(JFJ)製「P FAIRY TAIL2」の仕組み
こちらも、原稿執筆時点でもなお平均稼働貢献を継続している機種だ。まずはスペックをご覧いただきたい。

P FAIRY TAIL2スペック

仕様自体はかなり変わっているものの、基本的には昨年ここで書いた京楽産業.製「ぱちんこ 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ キュゥべえver.」「ぱちんこ ウルトラセブン 超乱舞」の解説にある通りの「小当たりまでの時短」を逆手にとったものだ。加えてGANTZなどの小当たりRUSH機で採用されている「電チューは特図2だが、電サポ中は電チューがほとんどの玉を拾ってしまうので小当たり時にアタッカーに玉を入れられず増えない」というゲージ構成を組み合わせたものになっている。

この機種は一種二種だが、右打ち中に小当たりを引いてVに入賞させる場面でも、電サポ中はVに入賞させることが事実上不可能だ。GANTZと同じく、電チューがほとんどの玉を拾ってしまうため、Vアタッカーに玉を到達させられない。しかも4カウント目まではVアタッカーが玉を拾ったとしてもVに入賞しない。大当たりさせるには、小当たり時にVアタッカーに5個以上の玉を拾わせる必要がある。

ではどのようにして大当たりするかといえば、直撃大当たりを引くか、または「その小当たりで電サポが終了する」場合だ。その小当たりで電サポが終了すると、小当たり開始時に電サポが終了し、Vアタッカーに玉がガンガン流れるようになる。

今回この「P FAIRY TAIL2」では、コンテンツの4コマ漫画を使ってうまく見せている。RUSH中の電サポには「小当たり1回まで~5回まで」の5種類があり、小当たりを引くたびに必ずリーチがかかる。その小当たりで電サポ終了の場合はバトルに勝利するが、電サポ継続の場合は敗北し、4コマ漫画が1コマ進む。右打ち中にリーチを引けば引くほど4コマ漫画は進み、運悪くたとえ4回連続でリーチ演出に敗北しても、5回目のリーチでは確実に勝利する、という流れだ。

今回は藤商事の2機種を取り上げたが、この2機種とも、スペック仕様は斬新で新しく、完成度も秀逸で非常に魅力的なアイデアだと感じた。今後、様々な新機種に楽しい見せ方で採用されることを望むのはもちろん、さらなる新たなスペック仕様がどんどん登場する事に期待したい。

(以上)

■ プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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