3. 「遊タイム」搭載ぱちんこ遊技機のラムクリについて
現在、閉店後のラムクリをしていないホールが多数だ。これは、ネットでのデータ公開が一般化している現状では、ラムクリする事で「気前が良くない店」との情報が流れることが危惧される点や、またラムクリしないことで、逆に一定数の朝一の集客が見込める、という点もあるだろう。また、ラムクリをする代わりにスタートを高くするなどの方法も考えられるものの、現状では、見た目で分かるほど釘を整備するのは難しいということもある。
ただし、確実にラムクリをした方が良いと考えられる状態がある。それは「遊タイム到達後、時短スルー」した台だ。この状態に限っては次回、再度大当たりを引くまでは絶対に遊タイムにならない。特にサミー製「P交響詩篇エウレカセブン HI-EVOLUTION ZERO」やジェイビー製「PフィーバークィーンⅡ」は、遊タイム到達後の時短回数が100回のため、割と頻繁に遊タイム時短をスルーしているのを見かける。ファンからすれば最も打ちたくない場面なので、このまま稼働せず閉店を迎えることも多いだろう。このような状態が翌日も続くのは、稼働面でも影響すると考えられる。
また滅多にはないが、ミドルタイプでも時短1200回をスルーしてしまう事例は起こりうる。実際に目撃した事例では、朝からミドルタイプを打っていた年配客が「1000回転を超えても右打ちにならない」と店員にクレームを入れていたが、後で見てみたら、前日に遊タイム到達後、時短をスルーしていた。その台をそのままラムクリせずオープンしたようだ。こういった使い方に関しても注意が必要だろう。
パチスロ5号機の撤去が進みパチスロが厳しい中で、ぱちんこ遊タイム機がファン減少の歯止めとして一定の貢献をしている現状は明らかだろう。今後さらにぱちんこ人気に火を付けていくためにも、遊タイムについてはその表示方法や使い方など、最適な見せ方は何かに注視していきたい。
(以上)
■ プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。