2. 「遊タイム」搭載ぱちんこ遊技機の表示
「ぱちんこ 仮面ライダー 轟音」は導入時の稼働は良かったものの、一か月後にサンセイアールアンドディ製「P真・牙狼」とビスティ製「P新世紀エヴァンゲリオン 決戦 ~真紅~」が導入されると、新台への店内移動という意味ももちろんあるが、ライダー轟音の稼働が陰り始めた。ホールにいってシマを見てみるとやはり「遊タイム」の表示の仕方が目立つ点が懸念点といえる。ライダー轟音は、朝一状態こそ遊タイム表示がされていないものの、一度大当たりすると「遊タイムまで残り946」といった表示が常に出る。319分の1で抽選しているため別に900回転以上ハマるわけではないものの、残り946回という表示を見ると、何となく「4万円以上必要?」といったイメージを抱いてしまうファンも多い。その点、「P真・牙狼」は900回到達時に液晶に「右打ち」と出るだけで遊タイムまでの表示は一切なく、「P新世紀エヴァンゲリオン 決戦 ~真紅~」も残り50回転になると「チャンスタイムまで050回転」と表示されカウントダウンが始まるだけで、それまで一切表示が無い。あまり遊タイムまでの残り回転数を気にしていないような年配層は、残り回転数が800回や900回と言われるより、表示がなく何回か分からない方が座りやすさを感じたようだ。ちなみに比較的好評を得た「Pリング 呪いの7日間2」は残り100回になると一瞬「残100」の表示が出た後で、残り50回からは「超貞子接近モードまで残50」からカウントダウンが始まる演出仕様、「PモモキュンソードMC」は残り50Gから「悪鬼侵攻ステージ」となりゲーム数カウンターが赤くなる演出仕様となっている。
一方で、表示していなくてもこれだけデータ公開が一般的な現状では、遊タイム狙いの若年層は確実にスマホやナンバーランプで「遊タイムまで何回か」を確認しながら座っている。さらに言えばその回転数も、一種+二種ならそのままの回転数で良いが、例えば100%ST機のJFJ製「Pとある魔術の禁書目録」であればST回数154回を回転数から引いたり、さらには牙狼やエヴァなど100%突入でないSTだと、前回の大当たりが単発か否か、また何回転で終了したかなどを合わせて、前回の大当たりがSTか時短かを予測し、STの場合のみST回数を引く、といった知識が必要になる。したがって現状だけで見ると、表示しない方が稼働に貢献しているとは考えられるものの、長い目で見れば「遊タイムを気にしない年配層が損をして、データを調べる若年層が得をする」という構図に向かっていくのが、業界にとって良いのかどうかは、定かではない。答えが出るまでには、少し時間がかかりそうだ。