●ぱちんこ開発者の独り言86
2019年夏に参議院選挙が行われるが、そこでにわかに注目を集めているのが自民党より全国区比例代表で出馬予定の前参議院議員の尾立源幸氏をぱちんこ業界をあげて応援をしようという機運が高まってきている。
ぱちんこ業界と関わりが深い議員といえば、平沢勝栄議員や赤松広隆議員が有名であるが、両議員とも衆議院の小選挙区選出議員である。この小選挙区制は、特定業種の有権者だけで当選を勝ち取れるものではなく、多くの有権者に広く集票をしなければ当選することはあり得ない。
北は北海道から南は九州、沖縄まで全国の有権者が同じ候補者個人名に投票が可能なのは「参議院選挙の比例代表」しか無い。逆にいえば、業界団体として強く支援が期待できるタイミングは3年に1度の参議院選挙なのである(実際に様々な業界団体が強く推す候補者は参議院議員が多い)。
日本は間接民主制が採用されており、国民が選挙で選んだ代表者によって意思の反映・実現が図られる政治制度であるのはご承知の通りだ。裏を返せば、今までは特定の地域や法人単位等である特定の議員を応援することはあったが、ぱちんこ業界全体を挙げて特定の候補者を支援しようとする動きは一切なかったのである。これは、ぱちんこ業界の声が意思反映されにくかったことを意味している。
事実、5月17日に前参議院議員 おだち源幸君を励ます集いにて、尾立氏は以下のように発言をしている。
「関連企業や家族も含めると100万人近い方々がこの産業で生計を営んでいるにもかかわらず、国政の場に業界の声が必ずしも届けられていない」
(引用元:遊技日本)
また、ぱちんこ業界のフリーライターである中台氏は、以前、遊技日本のコラムにて下記のように記している。
「二階幹事長に規模縮小を続ける業界に対する支援と遊技機の試験方法の緩和を陳情した。このとき、試験方法の緩和は警察庁に受け入れられなかったが、二階幹事長の意向を受けた風営法議連が警察庁との仲介役になり実現したのが、パチスロ自主規制の大幅緩和だといわれている。」
「自民党側も風営法議連が3月12日、28日にパチンコプロジェクトチームの会合を開催した。(中略)警察庁の生活安全局長や保安課長を招集し、(中略)同庁や保通協の対応にも問題があるのではないかと指摘をしたほか、(中略)のめり込み防止との科学的因果関係の有無を問いただしたという。」
(リンク:遊技日本)
今までは、警察庁から意見をヒアリングされることがあったとしても、基本的には言われたことを粛々と行うだけで一方通行ともいえるレベルであったが、議員がそこに入ることにより、より濃密な議論やガバナンス機能が期待できるようになるわけである。
ぱちんこ業界の声をしっかりと国政の場に届ける。ということは、とても重要であるということを再認識したい。今の状況が続くということは、一方的に物事を言われ続けて一切反論するすべがない。というように認識するべきであろう。
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。