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『遊技日本』

【平成の名機-パチンコ編③-】CR機が急速普及、確変2回ループ大ヒット

投稿日:2019年4月29日 更新日:

30年余り続いた『平成』が終わり、時代は『令和』に移り変わろうとしています。そんななか、本誌編集部では平成のパチンコホールを支えた、そして多くのファンから愛された平成の名機たちを記録として残しておくべきだと考え、「平成-名機の軌跡-」を企画いたしました。

記事は、過去から遡る形で全17回(パチンコ9回、パチスロ8回)。機種の解説とともに当時の遊技機市場の状況を振り返っていきます。

パチンコ編③では、現金機が連チャン仕様の販売を自粛された一方、1/3突入の2回ループというフルスペック仕様のヒットにより、一気にCR機が普及していった平成6年~平成8年の名機を振り返ります。

CR機が急速に普及したとは言え、ホール現場ではまだまだ現金機も大人気であり、パチンコファン3,000万人、市場規模30兆円と、業界隆盛のピークとなる数値が示されたのもこの当時です。

CR黄門ちゃま2

平和
平成6年(1994年)導入

30万台の大ヒットを飛ばしたフルスペック機

現金機は連チャンを自粛、CR機は確変2回ループが容認、ホールにCR機がどんどん進出していった時期の名機が『CR黄門ちゃま2』だ。

大当たり確率1/394.3、出玉約2300個、確変率1/3で2回ループという、いわゆるフルスペックである。確変継続回数は平均4.75回なので、爆発力は当時の最高峰であった。

時代劇「水戸黄門」をイメージしたキャラクターやリーチアクションも、人気の要因だった。ノーマルリーチの他に、弥七、八兵衛のスーパーがあり、八兵衛の場合は「しりもち」と「ジャンプ」に枝分かれした。

信頼度は、弥七が約16%、八兵衛しりもちが約2%、八兵衛ジャンプが約69%と、かなりの差が設けられていた。打ち初めて間もない頃は、八兵衛がハズした際のセリフ「次は当てるよ!!」を真に受けて、次の八兵衛リーチまで頑張って回したがハズしてしまい、ガッカリした人も多いはずだ。

大人気のため増産を繰り返し、最終的には30万台を超える大ヒット機となった。現在では考えられない台数である。

ファインプレー

マルホン工業
平成7年(1995年)導入

これぞ羽根モノ! 遊べる楽しい決定版!

ホール内のCR機比率が上昇していく中、現金機、しかも羽根モノで大ヒットを飛ばしたのが『ファインプレー』だ。大当り出玉は最大で約1,000個とギャンブル性は低く、秀逸なゲーム性がウケたのである。

役モノは上段と下段に分かれており、羽根に拾われた玉は下段に導かれる。中央には上に向かって回転するドラムがあり、磁石が埋め込まれている。

HOMERUNと書かた磁石はド真ん中にあり、ここにくっつけば上段中央で小刻みに左右に動いているVゾーンに向かっていくため、高確率で大当たりになる。その真裏にはHITと書かれた磁石が真ん中から少しズレた位置に2つあり、上段に導かれたとしても上手く斜めに転がらなければVゾーンに入らない。

大当たりになると、ラウンド抽選が行われる。表示されるのは1、7、15の3種類で、振り分けは1/3分ずつ。7の場合は6ラウンドまで、15の場合は14ラウンドまで下段にストッパー出現し、上段に最大5個停留する。継続率はかなり高いが運悪くパンクしてしまうこともあり、逆に運良く自力で継続することもある。大当たり中もちょっとした緊張感を味わえたのだ。

ミルキーバー

ニューギン
平成7年(1995年)導入

すももちゃんが人気を集めた3回権利モノ

大当たり確率1/329.5の3回権利モノ。回転率や運にも多少左右されるが、一撃約6,000発の出玉が期待できるのは魅力だった。

液晶は縦スクロール5ラインで、7やBARなどの3つ揃いで液晶当たり。ヘソ下の電チューが開くので、1個でも拾わせればVゾーンに入って権利発生となる。玉切れなどしない限り電チューに入るため、液晶当たり=大当たりと考えて良い。

大当たり消化中は、萌え系のキャラ「すももちゃん」が液晶でどんどん服をはだけていく。最後は全裸に!という瞬間、「自粛」の文字が表示されるという、何ともオチャメな展開が用意されていた。

また、セル盤も話題となった。右上の文字をよく見ると「CHANCE」ではなく「CAHNCE」。ちょっと恥ずかしい間違いである。が、後に登場したシリーズ機では、液晶に「CAHNCE」と表示されると大当たり確定(笑)。ニューギンのセンスが光るエピソードである。

パチパチスタジアム

SANKYO
平成7年(1995年)導入

止め打ち必須! 時短連チャンの一般電役!

現金機で、保留玉や玉突き連チャンに代わる機能として注目を集めたのが時短である。一定の間、小デジタルの回転時間が短縮され、電チューが頻繁に開くことで持ち玉がほぼ現状維持となるものだ。この間に当たれば、実質的に連チャンということになる。

そして、初めて一般電役に時短を搭載したのが『パチパチスタジアム』である。

大当り確率は1/240。右打ちするだけで約2,400個の出玉獲得となる。ドラムに同一図柄が揃えば大当りで、この際にドラム上部の7セグが回転。そしてFが止まれば時短突入となる。

表示されるのは、F、上□、下□、−の4種類。出現率は表面上と同じなので、時短突入率は4分の1だ。大当たり時に−が止まるまで終わらないため、継続率は4分の3とかなり高い。10連チャン以上も可能なスペックだったのだ。

さらに、電チュー性能が高く、約5.5秒の小デジタルの回転時間に打ち出しをストップすれば、持ち玉がもりもり増えていった。もちろん、辛いホールでは現状維持が精一杯だったが。

ミサイル7-7-6D

大同(現 Bisty)
平成8年(1996年)導入

大当たり出玉4,000発オーバーの実質一発台!

伝説の一発台『スーパーコンビ』の面影を残し、熱狂的なファンを生み出したのが『ミサイル7-7-6D』だ。ジャンルは普通機だが、ゲーム性は一発台そのものである。

俗に言うコンビゲージで、コンビクルーン。若い人にはわかりにくいが、この飛び込み口付近の釘構成と、役モノの3つ穴クルーンがそう呼ばれていた。

通常時は、飛び込み口を玉が通過するよう、ぶっ込み狙いや山・谷釘狙いをする。台にもよるが、通過するのは2,000円〜5,000円に1個程度しかない。

クルーンの手前穴に入れば大当たりで4,000個程度の獲得、奥の2つなら賞球15個のみだ。寝かせなどの台の個体差により、役モノに入った玉の大当たり確率は1/3〜1/7の1程度だった。

当たった後は、7回開きチューリップ2つと6回開きチューリップの連動で出玉を稼ぐ。まさに機種名どおりである。

アナログ連動なので、基本的にダブルやトリプル入賞が起こるとその分出玉が減ってしまう。逆に、7回開きチューリップに7個目と8個目が同時に入ればチューリップが開き直すので、出玉が増える。単発打ちと連続打ちの使い分けが必須だったのだ。

まとめ

現在、店によっては2週間に1回程度は行われる新装開店ですが、この当時の新装は「お祭り」騒ぎ。新台導入は多い店でも3ヶ月に1回、店によっては半年に1回なんていうレア度で、店の前にはオープン数時間前から大勢の人が並び、初日は18時開店、その後しばらくは15時や12時といった時差開店が当たり前でした。

もちろん出玉面も大盤振る舞いで、羽根モノなら打ち止め上等、デジパチなら千円平均100回転なんてことも!?

中でも一発台タイプの「ミサイル」は、美味しい思いをさせてもらった記憶がありますが、それだけに台の確保は超大変。ならず者の集まりの開店プロ連中と競りながら、色々工夫をして台を取った記憶があります。あの頃の熱気が懐かしいな〜

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■プロフィール
青山シゲキ
1991年、高校卒業後にパチンコにハマり、5年間のパチプロ生活を経て某パチンコ雑誌編集者へ。編集長として数百冊のパチンコ攻略誌を世に出す傍ら、パチンコ番組や漫画の監修、情報屋、新台コンサル、パチ台専門カメラマンなどなど、パチンコ業界の何でも屋として活躍中。現在47歳。

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