【コラム】継続率65%規制撤廃(中編)/ぱちんこ開発者の独り言

ぱちんこ開発者の独り言58
一部識者の意見として、「継続率規制が撤廃されても、総量規制があるため出玉は変わらない」との意見が散見されるが、その認識が間違いであるのは、前回のコラムでもお伝えした通りである。

→【コラム】継続率65%規制撤廃(前編)

出玉感とは、スペック性能が重要な要素であることは間違いなく事実ではあるが、それだけに限らず、体感や経験則、印象など様々な要素で構築されるものである。未だに各台計数機ではなく、玉積みによって出玉感を演出するホールが一定数あるのは、そうした印象を利用しているからにほかはない。

では、65%規制の撤廃により、具体的にどのようなスペックが設計可能であるのか、検証をしてみる。

【参考】「CR真・北斗無双」(初代無双)スペック
・初当たり確率:1/319.7
・高確率(ST中):1/81.2
・ST回数:130回
・ST(+時短)中大当りラウンド
16R確変(出玉:2,400個) 51%
8R確変(出玉:1,200個) 7%
4R確変(出玉:600個) 42%
平均10.4R(平均出玉:1,560個)
・ST継続率:約80.0%
・総量出玉:約6,252個

上記数値を確認してもらえればお分かりになると思うが、ST継続率80%のスペックの場合、平均出玉は1,500個を超える数値であったとしても、総量(初回大当り分含まず、上限6,400個)的には、まだ余裕がある数値となっている。では、総量ギリギリを攻めた場合、どこまでの数値が可能か探ってみる。

6,400/1,500=4.26666…
ST機のため+1を行い、TK=5.2666…
TK=1/(1-r)より、r(継続率)は約81.0%

理論上では、来年2月以降のST機スペックとして、ラッシュ中ALL10R(1,500個)のスペックであった場合、最大継続率として約81%までは搭載することは可能ではある。

但し、一般的に総量出玉はギリギリを狙うことは非常に少なく、100個ぐらいはバッファを取るのが一般的であるため、ALL1,500個のST機の場合は、やはり継続率80%が限界値であろう。また、出玉率対策として、出玉スピードの調整とMNRSの数字調整は必須項目となる(MNRSについては、過去のコラムを参照)。

それらを勘案した場合、下記のような想定スペックが考えられる。

【想定】ST機スペック
・初当たり確率:1/319.7
・高確率(ST中):1/124.6
・ST回数:200回
・ST(+時短)中大当りラウンド
10R確変(出玉:1,500個)100%
平均10R(平均出玉:1,500個)
ST継続率:約80.1%
・総量出玉:約6,017個
・MNRS:約8.720

これはあくまでもターゲットスペックであり、実際のスペック構築の場合は、ゲーム性や甘辛のシミュレーション値、保通協における実射試験等々を加味し、設定されることになるであろう。


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■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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