パチスロ、規制強化の詳細判明②

8月29日、本誌Webでパチスロ規制強化の第一報を掲載したが、本日、本誌連載陣の一人である㈱遊技産業研究所の鈴木政博氏より緊急寄稿があった。本来であれば本誌10月号にて掲載予定のものではあるが、速報性が必要との判断から先に本誌Webにて全文掲載する。

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4.規制強化の影響

さて、今回の規制で最も影響を受けるのは「AT機の通常ベース」だ。現在のAT機は「左リール第一停止」の場合だけがベースが低くなるよう設計されている。逆に「中や右リール第一停止」ではベースが90%程度になるが、ペナルティが発生してATに突入しない、という設計が基本的なものだ。これが、今回から「どの押し順で遊技し続けても55%以上」になる。基本設計は変わらないものの、小役(主にベル)を単純に6択に6分割均等に割る必要が出てくる。当然、順押しでのベースは高くなる。では実際にはどのあたりになるのか。

50枚を最初3枚入れで回せるゲーム数は16.7G。主流の純増3枚近い遊技機なら、リプレイは約4分の1で揃うため約4.17回。他のゲームが12.5回で、この払い出しが55%なら約20.6枚の払い出しとなる。つまり、1,000円でリプレイが4回程度、小役で21枚程度払い出される。これを繰り返すため、計算するとリプレイ確率が4分の1の機種なら、ベースは1000円で49.4回もまわることになる。コイン単価は確実に2円を切るため、実際に営業で使える機種からは程遠くなる。

5.その他の影響と今後の方向性

さて、上記した通り今回の規制で影響するのは主にAT機だ。逆にいえば、ビッグボーナス(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)やレギュラーボーナス(第1種特別役物)メインの機種(ジャグラーなど)については、ナビ通り打たなくても押し順に関係なく小役は出るので影響はほとんどない。ただしCT(第2種特別役物)に関しては、最低でも1つのリールは即止め制御になるため、即止め停止のリールが最終停止になる押し順の場合は小役が取りにくいという問題も合わせて発生する。CTについては、リール配列や小役構成で今後は若干の工夫が必要になるかもしれない。

今回の規制内容は、9月16日の型式試験持ち込み分から、となっている。したがって9月15日までに持ち込んで適合したものについては、問題なく販売される見込みだ。今後は「現在販売中のAT機」「各メーカーが保有している未発表AT機」に注目が集まりそうだ。さらには中古機価格が高騰する可能性も高い。

新機種開発の今後の方向性としては、初代エウレカセブンのような「ボーナス+ART」というのが、現実的に開発できて使える機種の軸になりそうだ。さらには前述したように、年明け2015年からはARTを中心とした仕様で、押し順ナビについてもメイン基板出力となる構えだ。パチンコの「セグ」のように、パネルのどこかで押し順がLEDで光るような仕様が想像される。「エージェントクライシス」の「増えないボーナス」搭載から進化し続けてきたAT機は、ここで5年前にさかのぼることを余儀なくされることとなった。

前編記事

パチスロ、規制強化の詳細判明①

寄稿者プロフィール
●鈴木 政博 ≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫
立命館大学産業社会学部卒業後、ホール経営企業の管理部・営業本部を経て㈱リム入社。業界向けセミナーの開催や新機種FAX情報編集を統括、新機種の導入アドバイザー、経営コンサルタントとして活動。2002年、㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。
Mail:msuzuki_u3ken@ybb.ne.jp

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