2019年の業界総粗利は3.24兆円/「DK-SIS白書2019」発刊

ダイコク電機は7月3日、「DK-SIS白書2020年版-2019年データ-」刊行オンライン記者会見を開催した。2019年のホール業界の市場規模は総売上20.0兆円(前年比7,000億円減)、総粗利3.24兆円(同1,400億円減)。依然として売上・粗利規模ともに下落傾向となり、2019年はパチスロがパチンコの売上規模を上回るなどパチンコの業績不振が顕著に現れた年となった。

記者会見では、同社DK-SIS室の片瀬宏之室長が白書の要点を解説。同氏が挙げた2019年の業界動向キーワードは ①業界総粗利の減少傾向が続く ②パチンコ業績はわずかに下落(解釈基準・内規の改正) ③パチスロ業績は横ばい(主要高射幸性遊技機の撤去・新規則機への入替え進まず) ④遊技機の販売台数がパチンコは4年連続で減少(パチスロは増加に転じる)、の4点。

片瀬宏之室長

前年比で1,400億円減の3.24兆円となった業界総粗利だが、遊技機購入費用は微増の6,900億円(200億円増)。遊技機総販売台数が前年と比較してほぼ変わらず、平均遊技機購入単価は400,000円と微増したため若干の増加傾向となった。その結果、業界総粗利から遊技機購入費用を差し引いた遊技機利益は、前年比1,600億減と減少幅が大きくなっている。

パチンコの業績はアウト、粗利、売上といずれも微減。アウト17,000個(前年比430個減)、売上14,792円(前年比420円減)、粗利2,442円(前年比71円減)で、パチンコ全体での総粗利は1.72兆円と前年に比べ1,200億円減少した。同氏は「営業の一端を担う4円パチンコの下落傾向が続いていることが業界規模縮小の大きな要因。時間粗利をみても20円パチスロに比べて高く、粗利率も高止まりし、射幸性が下がっている遊技機に対して粗利の確保が増えていることによりファンが遠のいたと推測される。この根本を改善しない限り業績回復はあり得ない」と断言し、機種やタイプなど射幸性に合った粗利の確保の仕方など環境を整える必要があるとの見方を示した。

一方のパチスロはアウト8,992枚(前年比119枚増)、売上21,422円(前年比172円増)、粗利3,003円(前年比同)と、業績は横ばいながらも長年下落傾向が続いていたアウトはプラスへ転じる結果となった。同氏は「パチスロによって業界の業績は維持されたと言っても過言ではない。しかし、経過措置の延長によりメイン機などの撤去期限は伸びたものの6号機の業績を鑑みると、入替が進むとは考えにくい。業績を維持するために旧規則機がすべて無くなることを見据え、パチンコへの入替えなど店舗構成の見直しも必要になってくるだろう」とした。

DK-SIS白書は、同社製のホールコンピューターを通じて得られる全国ホールの営業数値をもとに、2019年のホール営業に関わる各種統計データ(DK-SISデータ)をまとめ書籍化したもの。DK-SISの会員数は3,504でデータ送信台数は147万台(何れも2020年3月末時点)。市場全体(420万台)の約35%をカバーしている。

記者会見の冒頭、挨拶した同社の大成俊文常務取締役は、コロナ禍の影響について「業界においては、GW後半には未だ経験したことのない全国で100%に近い店舗が休業する未曾有の緊急事態となった。直近のデータをみると1月末比でパチンコが約77%、パチスロが約87%までに稼働は回復しているものの、最近では上昇傾斜が緩やかになり踊り場に差し掛かった感もある。当社においてもまずはコロナ対策として製品、サービスで支援できる機能を早期に開発し、ファンが安心して遊技し、スタッフも安心して働ける環境作りをシステムで提供している。今後もホール企業の業績回復、業界の信頼回復に向け各種データ提供を通じて支援していきたい」と語り、さらにDK-SIS白書について「2004年の創刊から今回で17冊目の発刊となる。毎年さまざまに変化するこの業界において戦略を決定するには、過去のデータを参考にすることも重要。DK-SIS白書2020年版もホール経営において適切な判断をする上で、必ずお役に立てると考えている」と、白書発刊の趣旨を述べた。

大成俊文常務取締役

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