福島県を中心に53店舗のホールを展開する㈱ニラクが、ギャンブル等依存症問題啓発週間にあたる5月15日、郡山市男女共同参画センターにて、依存問題に関心がある49名を対象にした「依存対策啓発セミナー~パチンコ依存を知り、依存対策について考える~」を開催した。
2部制で開かれた無料セミナーの第1部では、認定NPO法人ワンデーポートの中村努施設長が、依存対策の過去・現在・未来について講演。その中で中村施設長は「ギャンブル依存の対策は、一人一人の中にきっと答えがある。地域や身近な方々がその人の幸せを考え、それぞれのニーズや課題を考えることが対策のひとつだろう。本人と話しながら前に進んでいくことが大切だ」と述べ、身近な事例を交えながら未来に向けた地域との連携の在り方などを語った。
続いて第2部では、「依存対策のこれからを考える」をテーマにした公開討論会を実施。コーディネーターを依存症や家族・不適応問題の個別支援を行う「浦和まはろ相談室」の高澤和彦代表が務め、依存問題に関わる司法書士、社会福祉協議会、パチンコ研究家、㈱ニラク担当者がパネリストとして登壇した中、今後の依存対策の在り方について議論が交わされた。
最後に、同社の大石明徳取締役は「パチンコは気軽に楽しめる娯楽である一方、過度なのめり込みによる問題を抱えているお客様がいる事も事実。当社はギャンブル等依存問題への対策をパチンコホール企業の社会的責任と考え、①従業員教育②予防促進③セーフティネットの整備④地域社会との共生を基本方針とした“責任ある遊技”を掲げ、積極的に依存対策に取り組んでいるところ。依存症は病気ではなく、ギャンブル障害であると捉え、今後も積極的に推進していく」と挨拶。セミナー参加者からは「依存症の家族を抱え、なかなか相談できるところもなく困っていた。今回のセミナーでは気付くことが沢山あり、これからも地域にこのような場や相談できる所があるといいと思う」といったコメントが寄せられた。