カジノオーストリアインターナショナル(以下、CAI)は11月5日、都内港区のオーストリア大使館で記者会見を開き、日本IR市場へ参入すると表明した。
同社は、オーストリア政府が34%の㈱を保有するカジノオーストリアの子会社で、ゲーミング産業分野での世界進出を目的として1977年に設立。以来、35カ国以上、215軒を超えるカジノ事業に加え、90隻以上の船上カジノ事業を手掛ける実績を持つ。
CAIのクリストフ・ツールッカ―=ブルダCEOは「私たちは長年に渡り、日本のIR法案の動向に注目していた。私たちが目指すのは日本でヨーロッパスタイルのカジノを実現すること。国の厳しい管理のもと、最上質のカジノを目指して事業に取り組んでいる」と、日本IR市場への参入に意欲を見せた。
同CEOが語るヨーロッパスタイルとは「エレガントで上質な洗練されたカジノ」と「責任あるゲーミング」のことを指す。この内の「責任あるゲーミング」には依存症対策も含まれ、同社ではプレイヤー保護として、来場の頻度と過剰なゲーミングの確認や、それに伴う来場規制・出入り禁止措置、あるいは来場頻度や金銭消費が過剰なプレイヤーへの面談(助言や相談)といった策を講じているという。
記者会見では、「責任あるゲーミング」について同社のラインハルト・ベルンコプ=シュヌルヒ取締役が詳細を説明。その上で同氏は「ゲーミングについては、EUレベルで様々な厳しい基準が設けられているが、私たちはレベルの高い事業活動を行っているとの評価を受けている」と述べ、依存症対策プログラムの充実と実績を、同社の特徴のひとつとして主張した。
このほか、同社は日本でIR事業を展開するにあたっては、ウィーン少年合唱団による音楽イベントの実施や、日本の高度な医療技術を活用した「医療モール」の併設等で、他のIR事業者との差別化を図っていくという。
クリストフ・ツールッカ―=ブルダCEO
ラインハルト・ベルンコプ=シュヌルヒ取締役