【コラム】死亡店舗復興計画/CRAナカムラのぱちんこ閑話休題①

暴走開始
でねでね、さすがに中古も含めて新台を一切買えないのはどうしようもないんで、トップに頭下げにいきましたよ。答えは「NO!!!」瞬殺。あぁそうですか、そうですよね、だからボクが店長になったんだもんね、イイよ、んじゃ今ある機械で売れそうなモン売って予算作ればイイんでしょ?と自己解釈して業者招集&高値で売れる機種を片っ端から売却…と言うか、安くて古くて珍しい機種と交換してもらい、独自路線を過剰に突っ走るスタートラインに立ったものの、1か月後に業者から取引の詳細が本社に届くと、トップが閉店後に激オコぷんぷん丸でご来店→徹夜で並んでる若者が店の前でたむろしてるのを目の当たりにする→ニコニコるんるん丸に変化→ナカムラ小遣い貰う(3,000円)という奇跡の流れが実現し、ココしかない!というタイミングで再予算交渉の結果、なんとっ!月50万円の予算獲得!やったぜ!これで新台が買え……ないわ!バカ!

でもまぁ、完全中古オンリーならムリヤリ何とかなる可能性も微粒子単位で存在し始めたのだ。

■駐車場は他県ナンバー祭り
一部マニアにのみ強烈アピールを続ける営業は、当時の流行だったブログ開始と共に本人の予想以上に話題を生み、アメーバブログのパチンコパチスロ部門で1位を獲得。後に月間パチスロ雑誌でマンガ化されたりしたのは良い思い出。

店の営業もそれと比例するように、世間が連休な時は他県ナンバーを付けたマニアが乗ってきた車が駐車場を埋めたり、常連客も一定数定着したり、ボクに会いに来た!みたいな人が集団で現れたり、かなりトントン拍子で数字は右肩上がりで推移した。

そうなると、やはり再々予算交渉でしょ!なので、店の数字をグラフ化した資料やらを作って本社突撃!そして結果は60%増の月80万を勝ち取った!…んだが、これはパチンコ屋の数字なのだろうかww隣のライバル店は平均1,000万使ってるんだけどww

「ヨソはヨソ!ウチはウチ!」と幼少期によく母親に怒られた事を思い出し、グッと堪える33歳くらいだったボク。

■軋轢発生
店のレベルが「瞳孔が開いている」から「危篤状態」にランクアップし、さらに「寝たきり」から「健康診断で再検査」くらいまで来ると、元々が元々だっただけに売り上げは月間グラフを作ると、純増2枚のART機がずっと当たってるようなナンバーランプの上昇曲線なのだが、いかんせん粗利は純増0.5枚くらいの上昇曲線しか描いていない。

だからこその売り上げ増なのは言うまでもないんだが、今までの「利益率?何それ?物理的に取れるだけ取るのが正義」という営業から脱却し、安定的に適正粗利率で運営するためには通るべき道なのは間違いないはずで、しかもここまで順調すぎるくらいの勢いで実現しつつあるのに、トップはそれが気に入らない。

「売り上げが5倍になってるのになぜ粗利が2倍なんだ!おかしい!」

との事である。

言われる度に懇切丁寧に説明するが、理解する気が無いんですよ、はい。そして着任から約1年半後、ついに決定的なお言葉を頂く事なる。

「利益率は50%だ!絶対にだ!ワシの知り合いに聞いたら皆出来ると言ってる!」

正気ですか?どこの知り合いの人か知りませんけど、頭沸いてるんじゃないですか?と頭の中で思ったつもりがついつい言葉で口から出てたらしく、ここから完全な冷戦状態への突入となる…。

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■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。

※本稿は過去に本誌に掲載した記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。

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