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【特別寄稿】「SUPER 小当たり RUSH 機能搭載機」の考察(中篇)/鈴木政博の遊技産業考現学(WEB版②)

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2.平和製「CR逆転裁判249Ver.」の懸念される点

小当たりRUSH機でありながら「時短搭載」「特図2保留搭載」であり、さらに「RUSH継続が何回まで続くか!?」というゲーム性も入れ込んで、非常に面白い機種に仕上がっているこの逆転裁判だが、前述したとおりいくつかのデメリットが存在する。

まずは「RUSH終了後に左打ちに戻す」瞬間に、ほぼ確実に特図2の保留が4個点灯してしまう点だ。アネモネでは、通常遊技中に右打ちして特図2を回してから左打ちしても、特図1にも小当たりが高確率で存在し(特図1小当たりは、特図1ヘソ下の弁が一瞬開くだけで拾わないし、演出上も小当たりとは気づかない)、その仕様により「万が一に特図2で大当たりを引いていても、特図1を回していると小当たりが当たった瞬間に特図2も強制的にハズレで停止させるため、右打ちと左打ちの併用という攻略法は出来ない」ことは(前篇)で詳しく説明した。

しかしこの逆転裁判では、特図2に保留も4つ搭載しており、最低でもRUSH終了後は、ほぼ特図2の保留が4つ点灯したまま左打ちに戻すことになる。しかも「特図1が回る時短」があることで、特図1にはほぼ小当たりはない。

したがってどのような状況になるかといえば、左打ちで特図1を回していても特図1では小当たりが発生しないため、特図2は回り続ける。そして「特図2は1変動につき600秒程度経過すると小当たりが発生する」という動作を繰り返す。そして約40分間程度が経過した時点で、特図2保留が全て消化され、保留がなくなる。

これが一般的な動作だが、しかし特図2にも当然「大当たり」がある。万が一にでも、この保留で大当たりを引いている場合にはどうなるか。確認はできなかったが、50%の「実質1R大当たり」の場合は、Vに入賞させることができないため、パカパカしただけで何事もなく終わるだろう。変動秒数が一パターンではないことが予想されるため、開く瞬間だけ右打ちしてV入賞させるなんてことはできない。したがってこの実質1R大当たりでV入賞させるには、右打ちしっぱなしにするしかなくなるため、現実的にはV入賞せず終わることになるだろう。

しかし「実質12R大当たり」を引いた場合はどうなるか。こちらも確認はできなかったが、アタッカーがフルオープンする当たりなので演出上でも出玉面でも「大当たり」となるのは確実だと思われる。これが、遊技客が左打ちしている状態で発生したなら「突当たり」のような演出で大当たり演出を発生すれば何も問題はない。ただし保留4個消化には40分間程度の時間が必要だ。実質12R大当たりを引くのは498.4分の1しかないが、この大当たりが最悪のケースだと「空き台が突然大当たりする」という現象で発生する可能性は否めない。これが1つ目のデメリットだ。

2つ目として、同じく「通常時に右打ちして特図2保留をため、左打ちに戻して打つ」という攻略要素が少なからず存在する点だ。通常時の特図2は1時間に6回程度しか停止しないため、実際に498.4分の1の12R大当たりを引く可能性はほとんどない。しかし、ゼロではない。通常時の右打ち時には「左打ちに戻して下さい!!」という非常に大きな警報音が鳴るが、もしこういった打ち方をする人がでてくれば、トラブルの一因になる可能性はある。

最後に3つ目として、RUSH中「小当たり」と「実質1R大当たり」が、ほぼ同一の動きをする点だ。Vゾーンのあるアタッカーが1.5秒程度開放するが、もし拾わなかった場合はどうなるか。小当たりの場合、影響はない。そのままSTの残り回数を継続するだけだ。しかし「実質1R大当たり」だった場合、この機種はV確変機であるために「1個でも拾ってV入賞させる」必要性がある。V入賞すれば「そこから80回転のST」になるが、もし1個も拾わずにV入賞しなかった場合「ST終了」となり、当然「小当たりRUSHも突如として終了する」ことになるだろう。もしかすると小当たりRUSH機は、V確変機との相性は良くないのかもしれない。

しかし、これらデメリットはすべて「小当たりRUSH機を、どのように作れば面白いか」というテーマにおいての発展途上の産物であるといえる。事実、この逆転裁判は「小当たりRUSHに時短を搭載した」「特図2に保留を搭載した」「小当たりRUSHが何ゲーム続くかわからないというドキドキのゲーム性を実現した」という非常に大きなメリットがあり、かなり斬新でおもしろい機械に仕上がっている。

しかも逆転裁判は出玉スピードも予想以上に早く、RUSH中に3回ほど12R大当たりを引いただけでも想像以上に出玉が積みあがるという、今まで体験したことのない出方が楽しい。今後もさらに面白い小当たりRUSH搭載機に向かって、ぜひ研究開発を進めていただきたい。

(後篇)では、特図2対応の電チューを初めて搭載したマルホン製「CRソルジャー」について書いてみたい。

(以下、後篇に続く)

■プロフィール
・鈴木 政博 ≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫
立命館大学産業社会学部卒業後、ホール経営企業の管理部・営業本部を経て㈱リム入社。業界向けセミナーの開催や新機種FAX情報編集を統括、新機種の導入アドバイザー、経営コンサルタントとして活動。2002年、㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。Mail:msuzuki_u3ken@ybb.ne.jp

※本稿は本誌5月号(4月25日発行)の記事を、一部、WEBサイト用に編集した上で掲載しております。

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