【コラム】本当の勝負はこれから!近未来はチャンスか?ピンチか?(WEB版)/チャーリー・ロドリゲス・湯谷

1. スマスロ市場動向から読む、業界の近未来
先日、ついにスマスロが市場導入され営業がスタートしました。長年、管理遊技機の構想はありましたが、ついに新しい市場が生まれた、と言って過言ではないでしょう。但し、市場に設置された遊技機はまだまだ少なく、本当の評価はしばらく時間が経たないとわからないと思います。いずれにしても、このスマスロ投入が停滞する業界の活性化につながると良いのですが、実際のユーザーの動きに早くも特徴的な傾向が出てきた模様です。

まず、スマスロは射幸面で従来の6号機と比較して「一撃性」に秀でている事もあり、差枚数19,000枚到達で遊技機が停止する「コンプリート機能」が早くも数多く発動し、その画像がSNSで拡散、多くのユーザーの耳目を集める形になりました。スマスロ全体の稼働も連日高稼働をキープしていますが、一方でハマりも深く「台売り10万以上」というケースも多く散見されています。「もうついていけない」という声や「以前の4号機より、ギャンブル度が高い」という意見もあって、ターゲットはかなり限定されている、という印象を受けます。

無論、今後登場するスマスロのスペック性能次第では、もっと多様なゲーム性や出玉性能を持つ機種の登場があると思いますが、昔と違い、4号機時代を知らないユーザーも多く、射幸の高さに驚いている面はあると思います。結局「遊びやすさ」と「射幸の高さ」のバランスが、景況感含めてその時代時代での社会に受け入れられるか?という点が焦点になりそうです。

2. スマスロは業績を高める「魔法の杖」ではない
ホール法人の理念や戦略によるのですが、早かれ遅かれ、いずれ「スロット市場の大半はスマスロ」になるから、と、いち早く設備投資を進める企業と、様子見している企業とに分かれています。重要な経営判断になりますがスマスロも他の遊技機同様、ただ「導入さえすれば業績が回復・成長」するような、魔法の杖ではありません。また、前述した通り「もっともっと、遊技機性能が上がれば、売上・利益が回復する」という問題でもありません。

これは市場全体が縮小・衰退しているのに、客数が増えないからと、社会状況に反して客単価だけ上げていけば、客数が減少するのは当然です。客数が減少すればするほど「大型店・機種数豊富で大型入替を恒常的に繰り返す・薄利営業を行う」お店に顧客が集中する、これも当然の話です。この循環が続く限り、地域一番店以外の店舗はどんどん弱体化しますし、逆にこのやり方が「地域一番店」の方法で、どんどん集客出来ている成功要因なのではないでしょうか?

これも以前から述べている通り、同じ競争ステージで戦っていけば資金力豊富で大型入替・薄利営業を継続的に行える店舗が勝ちますし、投資以上の効果が得やすいのも一番店の方です。よって、ホールの方向性を「この先も、同じ土俵で戦うのか?」「新たなコンセプトを持って、立て直すのか?」二択になってきているように思うわけです。

今回のスマスロ登場で一番恩恵を受けているのは、いち早く投資を決めた一番店であり、一方、ここが勝負だ、という事で、二番手以降で大型投資を決めた店舗の方が思ったより稼働が伸びていない事が判明しています。これは恐らく、ユーザーから見れば、スマスロも従来のスロット機でも「お店の営業方針が同じ」なら、日頃からの営業の信用・信頼感の「高低」が、そのまま集客力になりますしその点が改善されない限りは高稼働の実現はないでしょう。

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