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【特別寄稿】パチンコ産業の歴史⑩ 国家公安委員会規則の改正と「新要件機」の登場(WEB版)/鈴木政博

投稿日:2023年1月4日 更新日:

創刊60周年記念にあたり、業界の歴史を振り返る意味に おいて「パチンコ産業の歴史シリーズ」を再掲載しています。 ※この原稿は2011年2月号に掲載していた「パチンコ産業の 歴史⑩」を一部加筆・修正したものです。

1. 国家公安委員会規則の改正
1,300発規制が行われて以降、1980年代後半になると「一発台」と「おまけチャッカー付きデジパチ」の大ヒット機種が続々と登場していた。そんな中80年代終盤になると、近く規則改正が行われるとの推測が出てきた。念のため再度説明を加えると「一発台」とは、「本来は平台である遊技機であり、非常に入賞しにくいチャッカーに入賞すれば特定チューリップが開き、開放後は本来ならチューリップに玉が入れば終わりのハズのものを“チューリップが閉じることのないような釘調整”を施すことにより、チューリップの先端に弾かれた玉が、今までは入賞しづらかった別の入賞口に容易に入賞する」仕組みだ。結果として、店側が「打ち止め」として強制的にチューリップを閉じるまで玉が出続ける。また「おまけチャッカー」も同じで、「デジパチが大当たりしたらアタッカーが開くが、このアタッカー内に入賞するだけでなく、アタッカーの先端に弾かれた玉が別のチャッカーにも入賞しやすくなる」ことにより、10ラウンド10カウントで賞球13個であれば本来1,300個が上限となるはずの出玉を、3,000個以上まで持っていくものだった。

こうした「本来の出玉性能とは違う現状」が問題視され、1990年8月30日に国家公安委員会規則「遊技機の認定及び型式の検定に関する規則」が改正され公布、同10月1日に施行される。ここで新たな条文が追加されたことにより、本来の入賞口以外への入賞が容易になるゲージ構成が禁止され、今までのような「一発台」や「おまけチャッカー」は姿を消すこととなった。ただしパチンコに関しては、規制強化ばかりではなかった。規則に沿った内容であれば、現状の出玉感を一定程度は保てるよう規制緩和も同時に行われた。詳細は以下の通りだ。

1990年10月1日施行「遊技機の認定及び型式の検定に関する規則」改正部分の抜粋

(一発台および、おまけチャッカー禁止部分)
別表第3の1
《ハ》役物が作動した場合に当該役物の作動によりその入口が開き、又は拡大した入賞口以外の入賞口への遊技球の入賞が容易になるものでないこと
別表3の2
《へ》遊技球を入賞させることができない入賞口を有しないものであること

(出玉の緩和部分)
別表第2の1
「ロ」《イ》一個の遊技球が入賞口に入賞した場合に、十五個を超える数の遊技球を獲得することができるものでないこと
「チ」《ロ》役物連続作動装置の一回の作動により第一種特別電動役物又は第二種特別電動役物が連続して作動する回数は、十六回を超えるものでないこと
別表第3の1
「ロ」《イ》一個の遊技球が入賞口に入賞した場合に、十五個を超える数の遊技球を獲得することができるものでないこと
「ト」《ロ》第三種特別電動役物の一回の作動による大入賞口の入口の開放等の時間は、十秒間を超えるものでないこととし、また、当該大入賞口の入口の開放等は、おおむね十個の遊技球の入賞により終了するものであること
「ト」《ハ》特別装置は、その作動中に遊技球が特別装置作動領域を通過したとき、又は第三種始動口に十六個を超えない数のうちあらかじめ定められた数の遊技球が入賞したときは、その作動を終了するものであること

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