●ぱちんこ開発者の独り言84
サン電子提供のTRYSEM(トライセム)データによると、ゴールデンウィーク明けの5月13日週における4円ぱちんこデータは下記の通りである。
・アウト 8,230
・粗利 2,220
・利益率 17.3%
ゴールデンウィーク明けは稼働が落ち込むこともあり、若干平均アウトが低い。ざっくりとした指標でいえば、アウトは8,800前後、粗利は2,500前後が近年の平均的なデータである。
裏を返せば、ホール側の意図として4円ぱちんこにて1日平均2,500円ほど利益を稼ぎたいという意味と捉えることができる。ホール経営として利益が出なければ運営を続けていくことが不可能のため、今回のコラムでは粗利2,500はマストとして仮定をしていく。
【粗利額と利益率】
現在ホールにて稼働貢献の高い機械(設置台数など総合的に勘案)を下記に記すと
・(初代)真・北斗無双
利益率9.6% 台粗利3.350
・大海物語4
利益率 7.8% 台粗利1,940
・スーパー海物語IN沖縄4
利益率10.4% 台粗利1.630
・フィーバー戦姫絶唱シンフォギア
利益率17.8% 台粗利3,020
・花の慶次漆黒
利益率11.8% 台粗利2.590
週間データのため多少の上下があろうかと思うが、大まかな雰囲気として感じとっていただきたい。
シリーズ機全体として最も設置比率が高く、年配層からの特に支持率が高い海物語シリーズは別として、粗利2,500を強く意識したデータであると考える方がスマートであろう。
この場合、通常時における低確率が低ければ低いほどユーザー投資金額がかさむため、結果として売上金額が大きくなる傾向がある。そのため、同じ利益額を稼ごうとした場合、通常確率が悪ければ悪いほど利益率は低くなる。
つまり、売上金額が多い機械ほど相対的な利益率というのは低くなるため、ユーザー支持率が上がりやすいという性質がある。
【稼働(アウト)×玉単価×利益率=2,500】
アウト 玉単価 利益率 粗利額
6,000 1.20 34.7% 2,500
6,000 1.40 29.8% 2,500
6,000 1.60 26.0% 2,500
6,000 1.80 23.1% 2,500
アウト 玉単価 利益率 粗利額
10,000 1.20 20.8% 2,500
10,000 1.40 17.9% 2,500
10,000 1.60 15.6% 2,500
10,000 1.80 13.9% 2,500
アウト 玉単価 利益率 粗利額
15,000 1.20 13.9% 2,500
15,000 1.40 11.9% 2,500
15,000 1.60 10.4% 2,500
15,000 1.80 9.3% 2,500
稼働が伸びやすい機械はある程度の差こそあれ、玉単価が低くても(初当たり確率が甘い)利益率は低くても目標粗利額を達成することができる。
(例)CRA大海物語3 利益率10.2% 粗利2,140
一方、人気が落ち稼働が落ち着いてきた機械の場合、ミドルスペックで100%分岐スタートが辛い機械であると、スタート回転数を大きく落とさなくとも目標粗利額を稼ぐことは比較的容易であることが多い。
(例)CR牙狼魔戒ノ花BEAST OF GOLD
S5.3 利益率21.4% 粗利2,310
次回コラムでは、利益率とスペックにおけるユーザーの印象について言及していきたいと思う。
※参考データ:設備投資不要の情報提供サービス TRYSEM
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。