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【コラム】スペック性能とユーザー印象(前編)/ぱちんこ開発者の独り言

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ぱちんこ開発者の独り言54
前回、前々回のコラムにて、実際のスペック出玉性能とユーザーの受ける印象が違うという話を計算式を用いてロジカルに言及した。特にぱちんこは、パチスロを積極的に選択する層よりもスペックに対する知識が低くなりがちであり、実際のスペック性能よりも印象論に終始することが多い。

一部の高知識層は分岐スタートや交換玉数を計算し、持ち玉遊技を中心に「勝ちにいく」遊技スタンスをとるが、それらの知識層はパチスロに比べ圧倒的にぱちんこは少なく、それが故に、更に印象論になりやすい傾向がある。

また、高知識層であっても、旧基準機と新基準機の違いを知っている場合、その知識が故に、スペック計算をせずに判断することも多く、結果として「80%継続」という文言や、島の出玉感、自身の経験則(体感)によるところで判断を左右することも間々ある。

それが故に、遊技機開発においては「わかりやすい」スペック開発が必要であるし、ホールにおいても「印象に応じた」遊技環境を提供してあげるべきなのは間違いない。

例えば、大当り確率が「40分の1」で、1回の出玉が100発少々、大当りの10分の1で右打ちに突入し、突入時TYが6,000個という機械があった場合、初当たりはおおよそ2,000円に1回するのだが、ほぼベースのような出玉であり、実際は、大当り後の10分の1抽選を潜り抜けないと、出玉は期待できない。

<初当り確率>
1/40 初回大当り=T1Y:100
大当りの1/10で、期待TY:6,000
大当りの9/10で、通常へ

この場合は、実際の出玉獲得までの道のりが、1/400なのでハイミドルスペックなのか、初当たりが1/40なので、甘スペックなのかは、意見が分かれるところであろう。平均2,000円に1回大当り(特賞回数が上がる)するので、「甘スペックである」という印象をもつユーザーもいれば、一度突入すれば大量出玉が期待できるので、「ハイミドルだ」という印象を持つユーザーがいてもおかしくない。

また、突入後のT1Yが小出玉だった場合、「突入すれば継続率が高い甘スペック」という印象を持つユーザーもいるかもしれないし、そもそもの突入確率が1/400なので、「ハイミドルだ」という意見をもつユーザーもいるであろう。

当然、このような機械を、どこの島に置くか、によっても打ち手側の印象は異なってくる。例えば、甘スペックのバラエティーコーナーに入れた場合、ユーザーも甘スペック寄りの印象を持つことも多くなるであろうし、ミドルスペックコーナーに置いて「実質1/400」というPOPにて告知すれば、その印象に引っ張られるであろうユーザーも増えると思われる。

また、そもそもメーカースペック構成と演出によっても違いが出てくる。具体的な機種で例えると、「CRFタイガーマスク3」は、大当り確率(低確率)は1/6.972であるが、その殆どの場合は、大当りが発生したように見せない作りをしている(実際、内部的には大当りしているのだが)。

同機種の場合は、表現方法等によってユーザーが持つ印象をミドルスペックに寄せるように作られており、その結果、多くの方がミドルスペックであるという印象を持っている。

何度も同じ話になるが、作り方や見せ方、運用の方法によってユーザーが持つ印象を全く異なるようにすることは可能であるが、一方で、それらは単一でできることでもなければ評価できるものでもない。

次回のコラムでは、ユーザー印象についてのデータ化。について言及していきたい。

■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、遊技機開発業務の傍ら、ホール向け勉強会や全国ホール団体等の講演会業務など広く引き受ける。

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