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【コラム】今さら聞けないデータ管理 <客滞率>

投稿日:2018年4月16日 更新日:

コラム:ぱちんこ開発者の独り言

●コラム:ぱちんこ開発者の独り言
ぱちんこ業界従事者で、この言葉を知らない人はいないぐらい有名な客滞率。端的な言葉でいえば、ユーザーの「持ち球比率」という言葉で置き換えることは可能であろう。客滞率の公式といえば、「客滞率(%) = 総Bサ/売上玉×100」という公式を覚えているだけの方も多いかと思うので、どのような数値であるかというのを、かみ砕いて説明したいと思う。

【総Bサ】
Bサ … ベース差玉の略語

わかりやすい言葉に直すと、大当りするまでに使用した玉の総数のことである。例えば、4円ぱちんこにおいて、大当りまでに15,000円使用した場合は、3,750個玉が減少したことになる。この場合において、Bサは3,750個である。

すなわち、総Bサとは、1台の遊技機が1日間において、通常時に失われた玉数のことである。

【売上玉】
売上玉のその名の通り、「売上」(ユーザーが投入したお金=売上)の玉のことである。こちらも、1台の遊技機が1日間においての売上金を玉数に直したものである。例えば、4円ぱちんこにおいて、売上が40,000円だった場合は、売上玉は10,000個になる。

すなわち、客滞率とは下記のようなイメージになるわけである。

通常時に失われた玉数 / 現金で購入されて使われた玉数」(×100)

通常時に失われた玉数の一部には、大当り後にユーザーの持ち球を使って遊技を行う。通常時に失われた玉において、持ち球の比率が増えれば増えるほど、想定的に現金で購入されて使われた玉数が少なくなるため、客滞率の数字が大きくなるという仕組みなわけである。

このような公式である客滞率は、ユーザーが持ち球で粘れば粘るほど数字が高くなるため、「高客滞率=ユーザーに好まれる台」として、客滞率で機械の良し悪しを判断するというブームが今から十数年前に流行した。今尚、客滞率を一つの指標にするホール責任者も少なくないが、客滞率を死語というように見ている方も少なからず存在する。

客滞率の概念ができた時代は、全ての遊技機が画一的な確率帯や出玉性能であり、客滞率にて横の比較がしやすかったのだが、客滞率はユーザーの持ち球比率の数値であるという性質上、確率が甘い機械は大当りが早く、持ち球になりやすい。また、確率が甘い機械は出玉が少ないことが多いため、そのまま打ち込みが発生しやすい結果、客滞率の数値が高くなりやすい。また、昨今の持ち球移動や出玉共有が可能な営業形態や、同一確率帯のスペックであっても、初回出玉にバラつきや、確変突入率を抑えめにした、通称突破型のスペックが増えたことにより、客滞率という一つの指標で機械の良し悪しを判断できにくくなってきたのは事実であろう。

しかしながら、今尚、客滞率は計数管理の第一線で存在感を発揮している。それは、機械の良し悪しを図る数値指標としての役割ではなく、データ管理において無くてはならない数値であるからである。次回コラムでは、そのあたりについて言及していく予定だ。

■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、開発だけではなくホール向け勉強会や講演会など多数開催。

 

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