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『遊技日本』

最も気になる“あの”事情/台湾パチンコ突撃取材④

投稿日:2015年11月2日 更新日:

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台湾パチンコ(スロット)取材記も、これで最後となります。ここまで、コラム①で台湾・高雄地区のエリア状況、コラム②で店舗内の様子や営業ルール、そしてコラム③で軽いパチスロ(スロット)実戦模様をお伝えしました。

→前回までのコラム
・高雄のパチンコ事情/台湾パチンコ突撃取材!!①
・意外と多いパチスロ5号機/台湾パチンコ突撃取材!!②
・店の優しい救済措置/台湾パチンコ突撃取材!!③
・フォトギャラリー/台湾パチンコ突撃取材!!

パチスロ(スロット)の実戦では、残念ながら持ちメダルを全て呑まれて終了~となったわけですが、ひとつ、調査をする上で、最も気になる“あの”事情に、まだ触れておりません。

“あの”事情とは、ズバリ「換金」です。知っている人もいるでしょうが、台湾のパチンコも法的に換金行為が認められていません。じゃあ、実態として換金が存在しないかと言えば、、、な状況の模様です。

立場上、調べにくい部分でもあるのですが、実際のところどうなのか、法に触れない範囲で、実情に迫って参りました。

その前に、台湾パチンコの歴史について少々。台湾国内でパチンコ営業が始まったのは1970年代末とされています(※諸説あり。戦前から存在していたという話も)。当時、貿易業を営む女性社長が台湾国内に持ち込んだとされ、その後、台湾全土に普及。1990年代にはブームが過熱化し、同時に、賭博という側面や依存性の高さが問題視されます。

その後、台湾パチンコは下火に。特に首都・台北ではパチンコ営業が問題視された90年代半ば以降、ホール営業の新規許可が下りず、さらに2000年代に入り、馬英九氏という方が市長になってからは、台北市内に限ってホール営業は完全に禁止されました。従って現在も台北市内には一軒もパチンコホールが存在しません。

一方、台北市以外では、パチンコ営業は今のところ合法です。法的な位置づけはゲームセンターという括りで、「電子遊戯場業管理条例」の下に置かれ、同条例により営業許認可の仕組みや禁止事項が明文化されています。法の内容の一例としては、18歳未満の入場が禁止されている一方、2,000元(日本円=約8,000円)を上限として賞品提供が認められています。しかし、日本同様、賞品として現金や有価証券の提供は禁止。つまり、上述した通り、換金行為はご法度なのです。

さて、すっかり前置きが長くなりましたが、換金行為の実態について、台湾・高雄地区のパチンコホール10数軒を対象に調べてみました。

調査方法は、至ってシンプル。パチンコホールの店員さんに「ここのお店では、換金できますか?」と聞くことです。

実際、聞いてみました。そして、返ってきた答えは当然のことながら「何言ってんの?無理、無理」的なものばかりです。なかには、外国人ということだけで、入店を断られるケースも。。。

確かに、こちらの風体や言葉のイントネーション等で、現地の方からすれば常連客ではないのは明らか。このままでは「常連客はともかく、一見客からは換金行為の実態が確認できない」という結論になってしまいます。

そんなことを考えていた矢先のこと。あるゲームセンター風のパチスロ(+ゲーム機)専門店に入ると、妙にフレンドリーな店員さんが近づいてきます。店員さんの「どうぞ、ぞうぞ、日本人ですか~?」的な投げ掛けから始まり、店内のルールなどの確認で会話が弾みます。そして、こちらからの「換金は出来るんですか?」の問いに対し、返ってきたのはニヤリとした表情と、親指と人差し指で丸を描いたお馴染みのオッケー仕草。どうやら、ここのお店では換金を行っている模様です。

その後も、数軒のパチンコホールで、我々のような一見風のお客に対しても換金に応じる雰囲気を醸し出す店員さんを確認できました。

調査を終えて推測できることは、店舗側は見知らぬ人が入店すると、「ひょっとして警察関係者ではないか?」と警戒するという点です。こう考えると、調査の過程で、店員さんがやたらと「おまえは何人だ?」的なことを聞いてきた点にも納得できます。中には、パスポートの提示を求め、それに応じた結果、こちらが観光客だと確認できると、途端にフレンドリー(換金もオッケー)になる店員さんもいました。

調査後、現地で知り合った台湾人コーディネーターに、台湾パチンコの換金事情について聞いてみました。

返ってきた答えは「換金?どこのお店もできます、大丈夫です」とのこと。ただし、観光客への換金には応じないケースも、それなりにあるらしく、換金も含めてパチンコを楽しみたいのであれば、我々のような現地人を頼りなさいとこと。まあ、このあたりは、かなり商売が入っていたので話半分に聞き流すとして、この台湾人コーディネーターに換金行為の流れも聞いてみました。

すると、ある店舗の事例として次のような手順を、図を交えながら、懇切丁寧に教えてくれました。

  1. 出玉を計数機に流すとレシートが出てきます(日本と同様)
  2. レシートをカウンターに持っていくと、店員さんが獲得した玉数に応じてコインを渡してくれます(遊技する上で必要となるコインで、基本的には、このコインを使用して再度遊技する流れ)
  3. 遊技終了の旨を伝えると、持っているコイン数に応じて貯玉・再プレイカードを発行してくれます(このカードがあれば、当日及び翌日以降、再プレイすることが可能)
  4. 換金したい旨を伝えると、店員さんとともに、店の一番の端のゲーム機コーナーに連れていかれ、そこの空き台に座って待機するように言われます。
  5. 店員さんは、付近にいる常連客風の人に声を掛け、声を掛けられた常連客風の人は、何故か、お店の控室に入っていきます。
  6. その後、換金を希望する客も店員とともに控え室へ。
  7. 控室の中には、もうひとつ、奥の部屋があり、先ほどの常連客はその中にいる模様。
  8. そして控室と、その奥の部屋を仕切る扉の真ん中には小窓があります。
  9. 何やら、この小窓を通じて、常連客風の人が現金を入れ、店員が貯玉再プレイカードとの交換が行われる模様。
  10. その後、現金を受け取った店員が、換金を希望する客へお金を渡します。

話を聞く限り、この常連客風の人というのは、換金を行う上で必要なお店側が雇った人でしょうね。客に提供した賞品をお店が買い取ることも法律で禁止されていることから、このような対策を取っているのではと考えられます。

上記はほんの一例であり、換金の手法は、お店ごとで異なることとの話でした。中には、店内のパチスロコーナーで、店員さんがシレっと渡すという大胆なケースもあるようです。また、トイレに入れと指示され、その中で後からくる店員さんに渡されるケースも存在するみたいですね。

以上のことから、常連客は換金を前提に遊技していることが伺えます。つまり、お店側も換金により経営が成り立っているものと推察されます。

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こう書くと、違法ギャンブルそのものであることは否定できません。ただし、店舗内の雰囲気は、多くのパチンコホールが、どこか牧歌的というか、平和な雰囲気でした。何と比べて平和的かと言うと、それは日本のパチンコホールです。おそらく日本のパチンコホールほど、全体的に射幸性が高くないからかもしれません。また、日本ほど、規制やルールに縛られず、自由な雰囲気に包まれていたことも、そう感じさせてくれたのかもしれません。

まあ換金行為を除けば、店内に入ったり、遊技したりするのは、何の問題もありませんので、業界関係者も仕事や旅行で台湾を訪れた際には、是非、視察してみてはいかがでしょうか。(1号)

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