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【平成の名機-パチスロ編⑥-】平成16年規則改正で、北斗の拳・吉宗時代が終焉

投稿日:2019年5月5日 更新日:

パチスロ編⑥では、4号機から5号機へと移り変わっていく平成15年~平成19年の名機を振り返ります。完全5号機時代に突入するギリギリまで4号機が賑わっていたことを覚えています。
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吉宗

大都技研(4号機)
平成15年(2003年)導入

711枚の1G連、一発告知音が大好評!!

リプレイはずし+シフト持ち越し機能を利用したA-700タイプのST機。BIG中は液晶のナビ通りに打てば、ほぼ毎回711枚獲得できる。BIG中は様々なストック放出契機があり、それに当選すればBIGが1G連する仕様だった。

711枚の1G連は前身機にも存在したが、本機は2個以上放出する可能性もあるのが改善点。「7絵柄が2ラインに揃う」「ボーナスゲーム1回でパンク(故意は除く)」が出現すれば2個放出。純ハズレ・0パンなら3個放出となった。

BIG中はチャンス告知の「吉宗」、一発告知の「爺」、後告知の「姫」と、3種類の演出モードを搭載。爺BIG中に「キーン」と鳴れば1G連確定。中毒性のある一発告知音がユーザーを虜にしていった。

通常時の天井ゲーム数は1921Gだがゲーム数解除しやすいゾーンが存在。ゾーン狙いという打ち方が浸透したのもこの頃から。

北斗の拳

サミー(4号機)
平成15年(2003年)導入

歴代最多の導入台数を誇る超大ヒットマシン!!

歴代最多となる販売台数約62万台という金字塔を打ち立てた機種。人気はパチスロだけに収まらず、原作本やDVD、グッズ関連の売り上げが急上昇。社会現象にまで至った。

スペックはCタイプのST機で、10GのATとREGで構成された「バトルボーナス(BB)」の連チャンでコインを増やすゲーム性。

REG中にバトル演出が発生。ケンシロウが負けなければBB継続。復活演出の「ケーン!!」は本機を象徴する演出の1つだ。BBが20連以上すればラオウが昇天するエンディングが発生。連チャンが終わる演出ではあるが、この時点で大量のコインを持っており、独特の達成感が味わえることもあって、ユーザーに受け入れられた。

押忍!番長

大都技研(4号機)
平成17年(2005年)導入

「遊びやすい吉宗」のゲーム性が受けて歴代3位の販売台数に!!

A-400タイプのST機。吉宗の正統後継機として登場し、歴代3位の販売台数を誇る大ヒットとなった。

吉宗と同様に、BIG中の抽選で1G連するゲーム性。ただし、BIG1回で複数のストック放出はなし。その代わり、青7BIGなら、赤7BIGよりも1G連が発生しやすい仕様になっている。

通常時の天井は1280Gで、天国モードの天井は128G。ゲーム数解除しやすいゾーンがあるといった点で、吉宗のゲーム性を継承している。

演出面の見所は「椅子取り」「紙相撲」「あっち向いてホイ」などの対決演出。パロディ要素も満載で独特の世界観も受けた。また、対決演出突入の際に次回予告が発生すれば大チャンスに。この次回予告演出は、番長シリーズだけでなく様々な機種でアツい演出として受け継がれている。

新世紀エヴァンゲリオン

ビスティ(5号機)
平成17年(2005年)導入

5号機第1弾。4号機から一転してまったりとしたゲーム性に!!

平成16年に施行された規則改正により出玉性能やゲーム性が大幅に制限。ST機やBIG中の期待値方式は禁止となった。パチスロ5号機時代への突入である。

そんな中で登場したのが本機。BIGは3種類あり、いずれも465枚超の払い出しで終了。純増に換算すると約360枚。REG後は100GのRT「レイチャンス」が付く。コイン持ちがよく、千円で45〜52G回った。メイン小役に設定差があり、これが後のエヴァシリーズにも継承され、ヒットのきっかけにもなった。

一方で、ボーナス合算確率は1/336〜1/267という低さ。基本的にまったりとしたゲーム性に。天井機能はなし。また、5号機からはテーブル制御も禁止されたため、わかりやすいリーチ目が多かったのも特徴。

アイムジャグラーEX

北電子(5号機)
平成19年(2007年)導入

パチスロ5号機市場の中心的存在に

ジャグラーシリーズ初の5号機。同シリーズは今でも多くのファンに愛されており、低迷したパチスロ5号機初期のパチンコホールを下支えした名機中の名機と言えよう。

BIGの純増は約325枚と4号機よりも少ない代わりに、ボーナス確率が4号機時代よりアップ。ジャグ連の頻度も向上した。また、ボーナス後1G目にBIGが当たれば軍艦マーチ、99G以内のゾロ目ゲーム数でBIGが当たれば運命が流れ、ジャグ連をBGMで祝福する点も好評に。

5号機から認められた小役とボーナスの同時当選機能を利用した点も特徴の一つ。4号機ではチェリー絡みのリーチ目は告知点灯後に出現するものしかなかったが、本機ではボーナス成立ゲームでチェリー絡みのリーチ目(しかも2リール確定目)が出るという点で、ジャグラーファンに新たな楽しみを提供したといえる。

まとめ

4号機終盤は北斗と吉宗の時代

爆裂AT機時代が終わってからは『吉宗』と『北斗』の時代という印象です。

吉宗は天井が1921Gなので、真っ向勝負すると大やけどする可能性が大。天井狙いやゾーン狙いが主流でした。その中でも、吉宗メインで立ち回っていた人たちは天井狙いが多かったように思います。編集部の同僚も「天井だけ狙っていれば食える」と言っていました。

北斗に関しては、その前に「レンキン」(サミー)というST機がありまして、それもRTモードを移行することによって、ゲーム性を組み立てていたんですよ。しかし、それほど人気になりませんでした。ただ、そこで諦めずにRTモード移行型の機種を作り続けて、最終的に初代北斗のゲーム性に至ったわけです。サミー開発陣の努力と執念の結晶が歴代最多販売台数となって結実したと思うと、「諦めないって大事だなあ」と思ったものです。

ホールでの北斗は連チャン数の話で持ち切りだったように思います。「北斗揃いしたのに2連だった」とか「今日は2度昇天した」とか。「7揃いで69連したんですけど、高設定なんですか?」と聞かれたこともありました。「いやいや、ヒキが強いだけですよ」と冷静に答えましたが、世の中、持っている人はとことん持っているということですね。

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■プロフィール
元チャンピオン木崎
平成4年(1992年)にパチンコ・パチスロ攻略誌の編集部に入社。入社1ヵ月後に出場した人気番組「TVチャンピオン」の「第1回パチンコ大会」で優勝。「チェリーバー」で、リプレイはずし攻略を最初に発見する。4号機が撤去されるまではパチスロの編集を専門にしていたが、その後はパチンコの編集も。現在はパチンコ・パチスロライターとして活動。

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