パチスロ編⑦では、完全5号機時代となった平成19年から、ART機の人気によりパチスロ市場が大きく盛り上がりを見せた平成23年までの名機を振り返ります。最初はARTといえばボーナス図柄を目押するタイプが主流でしたが、押し順タイプが登場し誰でも打てるようになり普及が進んだと記憶しています。また、ゲーム数の上乗せ特化ゾーンを搭載したART機も登場し、ゲーム性の幅も一気に広がりました。
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パチスロリングにかけろ
RT延命打法で万枚突破も可能に!!
全てのボーナス後にリプレイタイム(RT)がつくタイプの機種。同色BIG後は200G、異色BIGかミドルボーナス後は100GのRTがつく。RT中は1Gあたり約0.3枚の増加が見込める。
RT中に「チャンス」の声が発生し、リール左脇のランプが点滅すると、青チェリー成立の合図。そのまま青チェリーを揃えると、RTが終了(パンク)するので、それを引き込まないように黒チェリー付近を目押しする。こうすればRTは延命され、規定分のRT消化が可能に。この間にボーナスが成立すれば、ボーナス分の増加とともに再びRTへ。急激なコイン増加も期待できた。
高設定ならば万枚突破をすることも。5号機移行当初は出玉力の急激なダウンが懸念されたが、「5号機でも万枚が狙える」という触れ込みが全国に広がり、人気機種となった。
2027
ボーナス待機中にコインを増やす斬新なゲーム性がヒット!!
「REGを揃えずにコインを増やす」というゲーム性と液晶演出の内容の巧妙さが受けて、人気機種となった。
ART1Gあたりの純増枚数は約1.8枚と当時のARTとしては高い部類。ARTは20G1セットのセット管理で、継続率は70〜95%。プレミア役の7揃い(スペシャルリプレイ)なら95%継続濃厚。一撃5,000枚以上の獲得も夢ではなかった。
ART中は3種類の小役をナビ。ただ、左BAR絵柄ナビ時は要注意。BAR絵柄が揃ってしまうとREG入賞により、ARTが終了してしまうからだ。その際は、中か右リールでBAR絵柄をはずす目押しが必要だった。
ストーリーがよくできており、各セット終了間際の乗組員のセリフやセット継続演出、バトルの展開が独特の緊張感を生み出した。
パチスロ交響詩篇エウレカセブン
ARTの概念を変えた名機!
人気アニメ「交響詩篇エウレカセブン」とのタイアップ機。セット数管理型のART「コーラリアンモード」を搭載、1Gあたりの純増枚数は約1.6枚。ARTを『第3のボーナス』と位置付け、ARTの概念を変えた。
ARTは通常時のレア役による抽選のほか、ボーナス中にも抽選。BIG中は白7が揃えばARTをゲット。REG中は5択の押し順ベルを5回中3回以上正解すればART獲得。ナビが発生するパターンも存在した。
また通常時、「ねだるな勝ち取れ」というセリフとともに「?」ナビが出現し、6択の押し順に正解すればARTに突入。自力でARTに入れられる気持ちよさがユーザーの心をくすぐった。ロングフリーズすれば赤7揃い+5セット獲得という強力なプレミア役も存在した。
パチスロ新鬼武者
類稀なる天井ARTの破壊力が反響を呼んだ!!
本機はボーナスとART「蒼剣RUSH」でメダルを増やすゲーム性。ARTは1セット50G+αの継続率管理。継続率は50%〜89%。ARTの前半40Gは全小役で上乗せの可能性があり、上乗せ成功時は様々な水晶が出現。水晶が5個貯まったり、前半パートの最終ゲームに水晶があると、鬼武侠という上乗せゲーム数を告知する演出に。何ゲーム上乗せするかを開封する楽しみをユーザーに提供した。
ARTはBIG当選時か通常時のレア役成立時に抽選。通常時は低確、高確、超高確があり、超高確でのレア役はART確定となるのも特徴。設定6は低確での強チェリーでも、約38%でARTに突入するため、大きな設定推測要素に。
強力な天井ART(1400G)も大きな特徴。継続率は89%でさらにボーナス間で2800Gハマった場合は再び89%継続のARTが獲得できるというのも特徴的で、大きな反響を呼んだ。
押忍!番長2
擬似ボーナスとARTのコンビネーションが秀逸なゲーム性を生む!!
番長シリーズの初の5号機は、ARTをボーナスに見立てた「擬似ボーナス」(BB、RB)とART「頂RUSH」を搭載したART特化タイプ。
ARTは1セット50Gのゲーム数上乗せ型。ART中も疑似ボーナスの抽選を行っており、内部モードが天国ならば擬似ボーナスに当選ということもしばしば。もちろん、BB、RB中はARTの減算はストップし、上乗せ抽選も行われる。この擬似ボーナスとARTとのコンビネーションが大好評に。
また、ART中のBB当選時の一部で「絶頂RUSH」という上乗せ特化ゾーンに突入。大きな出玉を呼ぶ要素の1つとなった。
ARTの多くはBB後に突入するが、まれに通常時から当選することも。その場合は高設定の期待度アップとなったため、設定推測要素として大きな注目を集めた。
まとめ
エウレカ&新鬼武者がARTのゲーム性向上に貢献
5号機の初め頃はボーナス契機のRTやARTしかなかったので、通常時がつまらなかったのを覚えています。増え方も少ないので万枚なんて無理だろうと思っていました。
リングにかけろも最初はそう思っていました。でも、たまたま座った台が推定設定6で、9千枚出たんですよ。ジャグラーのように当たって、全てにRTがつくんですから、そりゃ一方的に増えていくわけです。その様を見た時、「5号機でも万枚が狙えるんだ」と思ったものです。
エウレカと新鬼武者が出てからはARTの認識が変わりましたね。なにより通常時が楽しくなりました。「いつでもART突入のチャンスがある=大連チャンへの契機にもなる」というのはゲーム性向上の観点からして大きかったと思います。
番長2は「ARTとARTをARTでつなぐ」という発想に驚かされました。これなら何でもありだなと。5号機もゲーム性&出玉力重視の時代に入っていくと感じました。ちなみに、番長2は1回だけ設定6を打ちました。最初のBBが180G継続(設定6濃厚演出)だったんですよ。かなり色めきましたが、RBが多かったり、上乗せが少なかったりして2,500枚くらいしか出ませんでした。
元チャンピオン木崎
平成4年(1992年)にパチンコ・パチスロ攻略誌の編集部に入社。入社1ヵ月後に出場した人気番組「TVチャンピオン」の「第1回パチンコ大会」で優勝。「チェリーバー」で、リプレイはずし攻略を最初に発見する。4号機が撤去されるまではパチスロの編集を専門にしていたが、その後はパチンコの編集も。現在はパチンコ・パチスロライターとして活動。
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