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【平成の名機-パチスロ編⑧-】AT機全盛を経て、6号機時代へ

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パチスロ編⑧では、”AT全盛”となった5号機終盤の平成24年から現在(平成31年)に至るまでの名機を紹介します。

平成26年にはパチスロ型式試験の試験方法が見直され、低ベースのAT機が不可となり、5.9号機、そして6号機へと時代は進みます。

5.9号機という不遇の時代に登場した「パチスロディスクアップ」は記憶に新しい名機と言えるでしょう。
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パチスロ鉄拳デビルVer.

山佐(5号機)
平成24年(2012年)導入

AT中は5号機最速クラスのペースでモリモリ増える!!

本機の最大の特徴は、AT「デビルRUSH」の純増枚数が1Gあたり約3枚あること。5号機としてはトップクラスのスピードを誇る。その代わり、通常時はリプレイが1/2.2で揃い、あとはレア役だけが成立。ベルは揃わないという特徴もある。

ATはセット管理。1セット50G+継続演出で構成される。レア役を引けばセット数上乗せを抽選。特化ゾーンの頭突きコンボチャンスに突入すれば、さらなる上乗せが期待できる。

また、1/8192のプレミアムデビルフリーズが出現すれば、プレミアム鉄拳アタックが発動。レバーONするたびに0G連で最低でも5セットストック。それ以降は80%で継続する仕組み。大量ストックに成功すれば、純増スピードも相まって、万枚突破も十分狙えた。

パチスロ北斗の拳 転生の章

サミー(5号機)
平成25年(2013年)導入

あべしステムと勝舞魂で新たな魅力を開拓!!

数ある北斗シリーズの中でも、独特なゲーム性を持つのが本機。まず、通常時は「あべしステム」を採用。基本的には1G=1あべしでハマリをカウント。内部で決定したあべし数に到達するとAT当選となる。

ATは基本的に「闘神演舞」と「神拳勝舞」で構成される。1Gあたり約2.8枚の純増。闘神演舞は40G固定。レア役成立などで勝舞魂の獲得を目指す。

闘神演舞後は継続バトルの神拳勝舞に突入。闘神演舞で得た勝舞魂の数だけ敵とバトルが可能。ケンシロウが勝利すれば継続。残った勝舞魂は次セットに持ち越されるため、闘神演舞でなるべく多くの勝舞魂を獲得し、神拳勝舞でなるべく早く勝つことがロング継続につながる構造だ。

このあべしステムと勝舞魂によるAT継続抽選というゲーム性は評価され、後発機の機種作りにも影響を与えた。

バジリスク~甲賀忍法帖~絆

エレコ(5号機)
平成26年(2014年)導入

バジリスクシリーズの集大成!

バジリスクシリーズの中でも最も長く支持されている機種であり、5号機終盤を代表するヒット機種としてパチスロ史にその名を刻んだ。

AT「バジリスクタイム」は前半の追想の刻と後半の争忍の刻に分かれ、1Gあたり約2.8枚の純増。争忍の刻突入時に「縁」「恋」「想」が出現すればチャンス。「縁」なら巻物成立、「想」なら強チェリー成立でBC当選=AT継続となる。また、「絆」と出れば祝言モード濃厚に。BCに当選すれば祝言モードが継続。ロング継続の可能性大となる。

祝言モードの他にも、真瞳術チャンスやセット継続率80%獲得時は大量出玉が期待できるスペック。そして、わかりやすい設定推測要素が明らかになったことで、さらなる人気の要因になった。

パチスロディスクアップ

サミー(5号機)
平成30年(2018年)導入

不遇の5.9号機の中で唯一のヒット作に!!

有利区間が設けられ、その上限は1500G。設定差もつけられなくなるなど、出玉力、ゲーム性ともに乏しくなった5.9号機。そんな不遇ともいえる状況下で唯一、ヒットしたのが本機である。

人気の要因の一つとして挙げられるのはスペックの甘さ。同色BIG中、演出発生時に中リールにビタ押しを成功するとART「DJ ZONE」のゲーム数が獲得でき、通常時の小役狙いと合わせ完璧に実践すれば、設定1でも出玉率は100%オーバー。同色BIGの確率は全設定共通で1/299と比較的高め。少投資で気軽にARTが楽しめるような作りになっているのも長所の1つだろう。

スペック面だけでなく、シンプルながら奥深いドット演出、サウンド、リール制御といった演出面も秀逸で、幅広いファン層からの支持を集めた。

Re:ゼロから始める異世界生活

大都技研(6号機)
平成31年(2019年)導入

平成最後に飛び出た純増8枚の人気機種!!

6号機からは高純増のAT機の搭載が可能になり、徐々に多様性が見られるようになった中で登場したのが本機である。web小説からコミックやゲームなどに拡大していった人気アニメをモチーフにしている点にも注目が集まった。

本機の特徴はAT「ゼロからっしゅ」の1Gあたりの純増が約8枚あること。現在発表されている6号機の中でも、トップの純増スピードを誇る。多くの6号機はATと引き戻しゾーンを行き来するのに対し、本機はATの引き戻しゾーンがなく、ストレートにコインが増えるのも特徴だ。

ATに入った時の瞬発力の高さは5号機にはなかったもの。4号機世代には懐かしく、5号機世代には新鮮に映るのが本機の長所。時代をまたぐ名機の誕生となった。

まとめ

平成時代の終盤はAT機がホールを席巻!!そして令和時代へ

鉄拳デビルが登場して、純増3枚のAT時代に入りました。その中で、北斗転生は完全に異質でした。あべしステムと勝舞魂は1つ1つ別の機種に盛り込んでもよさそうなのに、それを1つの機種に両方とも組み込むとは…。「攻めているなあ」と思いました。

ちなみに、私の転生の最高勝舞魂は65個です。51セット行きました。65個貯めた時は「閉店までに取り切れないか?」とほくそ笑みましたが、そんなに甘くない!!25連敗してしまい、あっという間に勝舞魂は無くなりました。

転生の後は絆、ハーデス、まどマギ、沖ドキ、凱旋の時代に入っていきます。全てユニバーサル系です。1フロアがこの5機種だけというホールがありまして、それを見た時は「ここはユニバーサルのデモ店か?」と思ったほどです。台数は少し減ったとはいえ、この5機種は全て現役。撤去されるまではホールの中心にいるでしょう。

そして、2018年秋に「HEY!鏡」(大都技研)が登場して6号機時代へ。ATと引き戻しゾーンでゲームを組み立てる機種が多いですが、リゼロのような8枚純増で一気に増える機種に人気が出始めたのを見ると、これからはそういった機種がたくさん出てくる予感がします。

令和時代はどんな機種がホールを賑わすのか、今からとても楽しみです。

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■プロフィール
元チャンピオン木崎
平成4年(1992年)にパチンコ・パチスロ攻略誌の編集部に入社。入社1ヵ月後に出場した人気番組「TVチャンピオン」の「第1回パチンコ大会」で優勝。「チェリーバー」で、リプレイはずし攻略を最初に発見する。4号機が撤去されるまではパチスロの編集を専門にしていたが、その後はパチンコの編集も。現在はパチンコ・パチスロライターとして活動。

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