ホール企業の倒産、前年同水準の高止まりで推移

信用調査機関の東京商工リサーチが作成したレポートによると、2018年1月~10月累計のパチンコホールの倒産が23件だったことが分かった。

ホール企業の倒産は、2008年の103件をピークに減少を辿っていたが、2017年は前年比2.4倍の29件に急増。2018年1~10月累計は前年同期と同じ水準のため、ホールの倒産件数が高止まりで推移したことが伺える。

今年の倒産事例における規模は、負債10億円以上の大型倒産が2件(前年同期比3件減)に対し、1億円未満が8件(同2件増)、1億円以上5億円未満が7件(同4件減)と、中小や零細規模の倒産が目立った。従業員数別では、50人以上は0件(同2件減)だった。

形態別では、破産が15件(同5件増)に対し、再建型の民事再生法は0件(同3件減)で、経営不振に陥ったホール経営の立て直しが難しい実態を浮き彫りにした。

今年の主な倒産事例としては、札幌市内でパチンコホール「パーラー大黒天」を6店舗展開していた㈱北星実業が10月12日、札幌地裁に破産を申請したことが挙げられる。ピーク時は売上高307億円を計上し、テレビCMで高い知名度を誇っていた。だが、厳しい経営環境でリース会社等がパチンコ台のリース契約を抑制し、資金繰りが急速に悪化。さらに、競合で集客が伸び悩み、2018年3月期の売上高は約22億円にまで低下。店舗を相次いで閉鎖していた。

同レポートでは、ホール経営の今後の傾向として「遊技人口の減少、売上減少など、縮小する市場の中で生き抜くことが難しく、今後は倒産だけでなく休廃業やM&Aなどの動きにも拍車がかかる」と予測している。

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