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【コラム】ぱちんこの光について

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コラム:ぱちんこ開発者の独り言

ぱちんこの光について
ぱちんこを製作する上で重要な三大要素は「映像・音・光」といわれたりもする。映像と音と光、それぞれを上手くミックスさせ昇華させることで、より高揚感を演出させることができるからであろう。

そもそも、昔のぱちんこには光などは殆どなかったが、昨今のぱちんこには過剰なまでにLEDが搭載されており、それらを制御し実装していることが当たり前となった。当然、光らないモノと光るものを並べたときに、光るモノの方が良く見えるのが世の常であるのは間違いない。事実、光を多用したぱちんこ機の方が、営業販売時やプレゼンにおける見栄えが非常に良くなるため、ここ十数年、各メーカーは積極的にLEDの個数を増やしてきた。

しかしながら、ユーザーの間で「まぶしすぎる」「光が強すぎてぱちんこを打つ気がなくなる」などの声が段々と大きくなってきたが、見栄えの良さや販売面のことを考えると、メーカーとしても「わかってはいるものの…」と躊躇していたのは事実である。そんな中で「光量調整機能」を搭載するメーカーが増えてきた。これは、上記にある見栄えや販売面、ユーザーの各種意見を全て叶える機能として急速に広がっていった。

それはさておき、枠及び、盤面にはLEDが配置されており、それらをプログラムによってLEDを制御している。ぱちんこは主として24V電源であり、一度に沢山のLEDをバラバラに点灯させることは非常に困難である。ようは、電流が足りないのである。また、最近では、役物を動かすためのモータなども複数保持し、大当り確定時などは、役物も大きく動かし、LEDも大量に光らせたりするため、電流が足りなくなることが多い。そのため、役物の同時駆動を極力ズラしながら搭載し、少しでも電流が足りるようにLEDの光らせ方も含めて調整しながら開発を行う。

様々なことを考え製作するランプであるが、実はLEDを光らせるランプ制御は、ソフト開発者の登竜門的な立ち位置である。前回のコラムで、ぱちんこのメインは最も重要である当たり判定や出玉性能に係る部分、また変動時間を主として管理していることは言及し、それ以外のプログラムは基本的にサブにておこなっているのであるが、ランプ制御もサブプログラムの1つである。

サブプログラムは、基本的にはC言語で開発をされる。勿論、同じサブ管理であるランプも同様にC言語で開発実装されるため、新人プログラマーには、致命的なミスを起こしにくいが、C言語で開発することができるランプ制御を担当させることが多い。例えば、液晶に「レインボー演出」が出てはずれるというバグが出ると、適合後であったとしても販売を取りやめるレベルのバグであるが(致命的なバグ)例えば、通常の一演出発生時に、盤面に搭載されているLEDがフルカラーになったとして、それは致命的なバグといえるのか。という話である。当然、専用の開発ツールを使用したりするなど、プログラムの中では比較的容易であるのも理由の1つである。

冒頭にあるように、ぱちんこの重要な要素として「映像・音・光」であると言われているにも関わらず、光の担当は残念ながら新人プログラマーであることが多い。普通に考えれば、演出を構成する重要な要素の1つである電飾部分は、プログラムは別として、見た目のデザイン的な部分としての演出構成は、専門のデザイナーに発注しても良いレベルでもあると考える。当然、しっかりと役割を分けている会社も存在はする

ランプ演出が綺麗なぱちんこ機を開発できる会社は、その重要度を理解している会社か、余裕がある会社と言えなくもないのだ。

■プロフィール
荒井 孝太
株式会社チャンスメイト 代表取締役
パチンコメーカー営業、開発を歴任後、遊技機開発会社チャンスメイト(http://chancemate.jp/)を設立。
パチンコ業界をより良く、もっと面白くするために、開発だけではなくホール向け勉強会や講演会など多数開催。

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