日遊協(庄司孝輝会長)が6月20日に開催した第28回通常総会の席上、警察庁保安課の小柳誠二課長が行政講話を行った。
講話では、業界の健全化を推進する上で特に必要なこととして「ぱちんこへの依存問題対策」「射幸性の抑制に向けた取り組み」「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機」「遊技機の不正改造の絶無」「遊技機の流通における業務の健全化」「ぱちんこ営業の賞品に関する問題」「広告・宣伝等の健全化の徹底」「ホールにおける置引き対策」の8点に言及。
このうち「ぱちんこへの依存問題対策」については、最優先課題として位置付けるとともに、「リカバリーサポート・ネットワークの機能拡充」「自己申告プログラムの拡充・普及」「ぱちんこ営業所における更なる依存症対策の推進」「児童の車内放置事案防止対策」を課題に挙げ、「問題解決に積極的に取り組むことが業界の社会的責任であることを強く認識し、業界全体で真摯に対応していただきたい」と述べた。
以下、行政講話の全文を掲載する。
↓↓講話本文↓↓
ただいま御紹介にあずかりました警察庁保安課長の小柳でございます。
皆様方には、平素から警察行政の各般にわたりまして、深い御理解と御協力を賜っているところであり、この場をお借りして御礼申し上げます。
ぱちんこ業界の皆様におかれましては、東日本大震災発生以来、継続して取り組まれている復興ボランティア活動のほか、昨年4月に発生した熊本地震においても、積極的に被災地支援に取り組まれたものと承知しています。加えて、社会福祉への支援、低炭素社会実行計画に基づく節電・省エネルギー対策等の社会貢献活動にも積極的に取り組まれ、着実に成果を上げているものと認識しており、これらの取組に対しまして、改めて敬意を表する次第であります。
また、ぱちんこの遊技人口が減少傾向にある中、業界全体の取組として、遊技機の不正改造防止対策、射幸性を抑えた遊技機の設置等、遊技客が安心して遊技そのものの面白さを楽しんでもらうための努力が続けられていると承知しています。しかし、依然として、ぱちんこへの依存問題のほか、遊技機の不正改造事犯、賞品買取事犯、違法な広告宣伝・賞品提供等が後を絶たず、健全化を阻害する要因がいまだ多く存在することも事実であります。特にぱちんこへの依存問題については、国会や報道等においても大きく取り上げられるなど早急な対応が求められています。
貴協会を始め、業界の皆様におかれましては、業界が置かれている厳しい現状について危機意識を共有していただき、適切かつ着実に取組を進めていただきたいと思います。
本日はお時間をいただきましたので、業界の健全化を推進する上で特に必要であると考えていることを何点かお話ししたいと思います。