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『遊技日本』

依存問題対策が最優先課題/警察庁保安課・小柳課長講話(全文)

投稿日:2017年6月23日 更新日:

次に、「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機」の問題についてです。

この問題については、当庁から業界に対し、昨年末を期限に検定機と性能が異なる可能性のある遊技機の撤去・回収を要請していたところ、業界として、昨年末までの撤去・回収の完遂に向けて努力していただきました。

改めて説明するまでもないことですが、検定制度上、ぱちんこ営業所に設置され営業の用に供される遊技機については、検定機どおりの性能であることが求められており、検定機と性能が異なる遊技機を設置し営業することは制度上許容されていないばかりではなく、極端な場合には風営適正化法が禁止する著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機を設置していることにもなりかねません。

誠に残念なことですが、ぱちんこ営業所において遊技くぎを曲げて検定機と異なる性能を創出する事案は、いまだに継続して発生しております。これまでにも、そのような事案は射幸性の適正管理を侵害する悪質な不正改造事案であると申し上げておりますが、依然、客寄せ等営業者側の都合により入賞口付近のくぎを開け閉めしていた事案が発生しているところであります。

いわゆるIR推進法が国会で審議された際に、ぱちんこ業界に対して大変厳しい意見が述べられたことについては既にお伝えしたとおりですが、このような厳しい現状において、こうした問題が続くようであれば、業界の信用は大きく損なわれ、国民の支持を前提とする大衆娯楽という地位から大きく離れてしまいます。

今後はくぎに関する問題を生じさせないという意識が、遊技機製造業者、ぱちんこ営業者の枠を超えて、業界の方々に広く定着することが必要だと考えております。貴協会におかれましては、正しい認識を各会員に理解していただくよう周知徹底を図ることはもとより、業界全体をリードして、こうした問題の絶無に向けて積極的に尽力されることを期待いたします。

次に、遊技機の不正改造の絶無についてお話しします。

近年の不正改造の手口は、周辺基板のロムのプログラム改ざん等を偽造ケースや偽造カシメで隠蔽したり、カシメや封印シールを破損することなく、ロムのみを交換する事案が発生しているなど、ますます悪質巧妙化しています。このような厳しい状況の中、貴協会ではこれまでも精力的に不正改造防止対策に取り組まれ、業界としても不正改造情報の収集や周知徹底、またこれを活かした不正に強い遊技機づくり等の様々な取組が推進されていると承知しておりますが、このような悪質巧妙化している不正事案に対しては、ぱちんこ営業者、遊技機製造業者という垣根を取り払い、事案の情報共有や有効な防止対策を業界全体で模索し、効果的な施策を推進していただきたいと思います。

また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構の活動については、業界の健全化に欠かせないものとして、その役割の大きさを皆様も実感しているところではないかと思います。活動開始以来、立入検査店舗数が昨年度末時点で2万4千店舗を超え、また、検査台数も約18万台を上回り、加えて、立入検査を端緒に検挙に至った事例も多数あるなど、様々な形で成果を挙げています。また、一昨年から実施されている遊技機性能調査についても、業界の健全化を進める上で、有意義な取組の一つであると考えています。このような推進機構の活動に対する業界の理解は、徐々に深まってきていると感じておりますが、一方で、いまだに推進機構の活動に対する理解が低い営業所もあると聞いております。推進機構の活動が効果的に行われるためには、推進機構に対する各店舗ごとの理解が不可欠でありますので、立入検査を拒否したり、妨害するような行為は、不正改造の根絶を目指す業界全体の取組に逆行する行為であるとの共通認識を更に広め、業界全体で推進機構の活動を支援するなど、不正改造の根絶を目指す気運を高めていただきたいと思います。警察といたしましても、引き続き、推進機構と積極的に連携しつつ、不正改造事犯に対しては、厳正な指導・取締りを推進してまいりたいと考えております。

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