日遊協はこのほど、「パチンコ・パチスロファンアンケート調査」の付属調査として、日電協、日工組回胴部会の協力を得て実施した「パチスロプレイヤー調査2019」の調査報告書の概要を公表した。
これによると、2019年の参加人口は809.4万人(前年比約150万人増)となり、一昨年レベルまで回復。30代以下の回復が顕著で、前年比で計100万人近く増加した。参加状況として「この1年以内に始めた」割合が低いことから、新規層ではなく再開層による増加と見ている。また、30代以下の人口が増加した要因について「使えるお金や時間が増えた」や「誘われた」などが考えられ、なかでも「誘われるようになった」は参加人口の増減と関連性が高く、「男性10代・20代」「男性30代」では3割前後と前回より10ポイント以上上昇。前年より誘われるようになったのは、6号機「Re:ゼロから始める異世界生活」などのヒット、2019年末の主要旧基準5号機の所謂“打ち納め”などの遊技環境の変化もきっかけになったと推察している。一方で「勝ちやすくなった」割合が前年よりも減少したことや、2019年末の旧基準5号機の撤去で遊技をやめたいと回答している層がいる為、2021年1月末の5号機撤去時における参加人口の減少が懸念されるとしている。
『休止者層の深堀分析』では、休止直前の遊技頻度について全体の4割近くが「年に1回以下」で、低頻度からの離脱が多い。休止歴が直近であるほど「勝ちにくい」「お金がかかる」「おもしろい機種がない」の回答割合が高い。再開条件として「勝ちやすさ」「魅力あるパチスロ台」「タバコのにおい・煙の改善」が上位となった。相反する「勝ちにくい」と「勝ちやすさ」、「おもしろい機種がない」と「魅力あるパチスロ台」については今後更なる深堀分析が必要であるとしている。
『トピック調査/6.0号機の継続調査』では、6.0号機の遊技経験は2018年の6割から8割まで上昇したが、6.0号機の理解度は5割程度に留まっている。6.0号機の遊技理由について「好きなコンテンツ」「AT中の高純増に期待できそう」「低投資で遊べそう」が前年よりも上昇したことから、6号機特有のゲーム性が浸透した部分も見受けられる一方で、6.0号機で継続して遊びたくない理由として「勝てない」「お金がかかる」といった金銭的な理由も挙げられている。スペックに関して「有利区間の仕組み」「高純増のAT機の魅力のなさ」「ゲーム性が単調でつまらない」などが前回よりも上昇しており、6.0号機を理解している人ほど「勝てない」や「有利区間の仕組み」について否定的な回答傾向が見られている。
報告書では今後の対策として、『6.0号機の遊技動機としてコンテンツや一撃性、高純増ATが選ばれていた。しかし、理解が深まるにつれて勝ちにくさを感じることから、今後遊びたくないと考える遊技者が出てきている。この要因は主に一撃の出玉や有利区間の上限など、6号機からの新たな仕様が関係している。参加人口が一昨年レベルに回復したのは、6.0号機の第一印象の良さや旧基準5号機の打ち納めによるものと考えられることから、パチスロ参加人口を維持・拡大するためには、旧基準5号機が市場から完全になくなる前に、現状の6号機の出玉性能面における改善などの検討・対策が必要である。』とまとめている。
今回の調査は2020年1月に実施されたもので、調査分析はエンタテインメントビジネス総合研究所、株式会社シーズが行っている。