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『遊技日本』

全日遊連全国理事会で警察庁の小堀課長が講話

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次に、遊技機の不正改造事犯等の絶無についてお話しします。

まず、いわゆるくぎ曲げについては、営業所において遊技くぎを曲げて検定機と異なる性能を創出する事案がいまだに継続して発生しており、昨年も複数の検挙事例が見られるところです。これまでにも、そのような事案は射幸性の適正管理を侵害する悪質な不正改造事案であると申し上げているところ、それでもなお行われるくぎ曲げについては、厳しく取締り等を行う必要があると考えています。

貴連合会におかれましては、引き続き正しい認識を全国の各組合員に理解していただくよう周知徹底を図ることはもとより、業界全体をリードして、こうした問題の絶無に向けて積極的に尽力されることを期待いたします。

次に、悪質巧妙化している不正改造については、これに対処するため、ぱちんこ営業者、遊技機製造業者という垣根を取り払い、事案の情報共有や有効な防止対策を業界全体で模索し、効果的な施策をより一層推進していただきたいと思います。

また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構の立入検査においては、減少はしているものの、いまだに不正改造等の容疑が認められたとして都道府県警察に通報がなされた事案が散見されますので、業界として引き続き緊張感を持って不正改造の絶無に向けた取組の推進をお願いいたします。警察といたしましても、今後とも、推進機構と積極的に連携しつつ、不正改造事犯に対しては、厳正な指導・取締りを推進してまいりたいと考えております。

なお、推進機構においては、先ほど申し上げたとおり、ぱちんこ営業所における依存防止対策の実施状況調査についても今月から開始されているものと承知しております。業界にあっては、引き続き、この調査が実効性をもって円滑に行われるよう、推進機構への支援等をお願いいたします。

次に、遊技機の流通における業務の健全化についてお話しします。

遊技機の流通については、その過程において型式の同一性が担保されるよう「製造業者遊技機流通健全化要綱」等が制定されて以降、業界における制度の理解も促進されていると伺っております。引き続き、遊技機の流通に携わる関係者が正しく制度を理解するための取組を継続していただきたいと思います。

また、遊技機の廃棄処理については、これまでも適正に行っていただいているものと認識しておりますが、今般の規則改正に伴う遊技機の入替により、今後全ての旧規則機が廃棄されることとなるところ、現状においてもホールの倉庫等に今後設置することのない遊技機が大量に保管されているという話も聞こえてきており、そういったものが一度に廃棄に出されれば、廃棄処理が追いつかなくなるのではという懸念もしているところであります。そこで、貴連合会におかれましては、関係団体ともよく調整の上、計画的な遊技機の廃棄処理が各営業者において進められるよう尽力していただきたいと思います。過去、遊技機の野積み問題により、業界全体が大きな非難を浴びましたが、このようなことが繰り返されぬよう、先ほど申し上げた計画的な旧規則機の撤去等に加え、適正かつ計画的な廃棄処理についても遺漏のないようお願いします。

次に、ぱちんこ営業の賞品に関する問題についてお話しします。

まずは賞品買取事犯の根絶についてです。

賞品買取行為の規制違反は、いまだに継続して発生しています。賞品買取行為の規制は、ぱちんこ営業と賭博の一線を画す上でも重要な規制であり、ぱちんこ営業の根幹に関わるものであることから、警察といたしましても、賞品買取事犯に対しては引き続き厳正な取締り等を行っていくこととしておりますが、貴連合会におかれましても、今一度、営業者一人一人にまで、賞品買取行為の規制の重要性について周知徹底していただきたいと思います。

次に、賞品の取りそろえの充実及び適切な賞品提供の徹底についてです。

平成18年にぱちんこ営業者関係5団体によりなされた「ぱちんこ営業に係る賞品の取りそろえの充実に関する決議」について、今一度、この決議の重要性を認識し、そうした意識が業界の共通認識となるよう貴連合会が業界をリードしていただきたいと思います。

また、今一度、各ぱちんこ営業者にあっては、自身の営業所の賞品が等価交換規制を遵守したものとなっているか確認していただくようお願いします。

最後に、広告・宣伝等の健全化の徹底についてお話しします。

広告・宣伝等の規制については、特定の日に特定の遊技機を示し、イベント開催を告知して射幸心をそそるものや、隠語を用いて規制の目をかいくぐろうとするような悪質な事案がいまだに発生しております。このような違法な広告・宣伝等については、今後も指導・取締りを行っていきますが、依存防止対策の観点からも広告・宣伝の在り方が問われていることを踏まえ、業界自らの取組によって健全化が進められるよう努めていただきたいと思います。

以上、ぱちんこ営業の健全化を推進する上で特に留意していただきたい点を申し述べました。

ぱちんこ産業は、遊技人口が減少傾向にあるとはいえ、なお、非常に多くの方々が参加している娯楽産業であります。ぱちんこへの依存防止対策等の各種課題は山積しております。また、この各種課題は、必ずしも風営適正化法上のものに限られるものではなく、例えば本年4月には改正健康増進法が全面施行されるところ、同法を含め法令遵守が各事業所に強く求められることは言うまでもないことであります。いずれにせよ、業界が一丸となって、一つ一つ迅速かつ真摯に対応していただきたいと思います。その実現があってこそ、ぱちんこが健全な娯楽たり得ると考えます。他方で、今後とも健全化を含む各種課題に真摯に対応する皆様から要望等があれば、我々も真摯に耳を傾ける所存です。

結びに、貴連合会のますますの御発展と皆様方の御健勝、御多幸を祈念いたしまして、私の話を終わります。

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