第2回パチンコ依存対策勉強会事務局は6月13日、都内中央区のTKP東京駅セントラルカンファレンスセンターでホール企業合同第2回パチンコ依存対策勉強会「依存について考えよう」を開催した。参加したのはABC、合田観光商事、サンキョー、三慶商事、正栄プロジェクト、善都、ダイナム、日拓グループ、ニラク、ピーアークホールディングス、平成観光、マルハン、夢コーポレーション(以上、五十音順)のホール企業13社に、ホールの従業員教育研修事業などを手掛けるデライト・コミュニケーションズを加えた14社105名。
同勉強会は合田観光商事、ダイナム、ニラク、マルハン、夢コーポレーションの5社により、今年1月30日に第1回目が開催されている。その際に発表した依存対策推進に関する共同声明の中で、「全国のパチンコホールがさらなるパチンコ依存対策に取り組むよう働きかけていく」としていることに従い、参加企業を募り、今回の開催となった。
前回に引き続いて、認定NPO法人リカバリーサポート・ネットワーク(以下、RSN)の西村直之代表理事が全体を監修。西村代表理事による「依存について考えよう」と題して講演した。参加企業の現場社員が9グループに分かれ、RSNへの相談事例を用いて、ホールスタッフが依存問題に悩む顧客にどのように接すればいいのかグループワークを実施し、その結果を発表し合った。
まず、西村代表理事は講演で、国のギャンブル依存問題対策は「ギャンブル等」として、パチンコ・パチスロも含めた形で進められているが、「ギャンブル等依存症」という病名は存在しないと説明。ユーザー全体の中でのめり込みによる何らかの問題を抱えている可能性がある人は5~10%、深刻な状態にあるおそれがある人は1~3%で、90%以上のユーザーは生活や仕事にまったく問題なく遊べているとした。その上で、当該事業者の取り組みで大事なのは「予防」だと強調。顧客を守るという意識の下、問題なく遊べる顧客を増やしていくことが最善の対策だと助言した。
グループワークでは、「子どもを幼稚園に送った後、家に帰るのがいやで、ホールに通ってしまう主婦」など、グループごとに与えられた事例に対して、気をつけなければならないことやどのような声掛け、情報提供をすればいいのかを議論した。グループワーク後は結果を発表。発表後は西村代表が「実のある内容だった。パチンコ・パチスロが公営競技や他のギャンブル的ゲームと大きく違うところは店舗に足を運ばなければ楽しめないこと。ホールスタッフの役割は大きい。頑張りすぎず、サービスの延長だという意識で依存問題対策に取り組んでほしい」と総評を述べた。
一方、参加した社員らは「依存はケースバイケースで対応すべき問題だということがよく分かった」「他社の取り組みも学べて有意義だった。今日の経験を社内で共有したい」などと振り返った。
最後は、マルハンの韓裕代表取締役社長が参加企業の経営者を代表して挨拶し、「依存問題への理解を深め、お客様を守るため、今後もこうした活動を続けていきたい」と締めくくった。なお、今回の勉強会の模様は6月19日にYouTubeチャンネル「依存対策勉強会」で公開する予定。