矢野経済研究所は9月11日、パチンコ関連機器市場における市場規模・動向などの調査結果を発表。2017年度のパチンコ関連機器(パチンコ機、パチスロ機、周辺設備機器)の市場規模は8,574億円(メーカー売上金額ベース)で、前年度比で85.5%、1,452億円の大幅マイナスと厳しい業界情勢が浮き彫りとなった。
セグメント別では、パチンコ機市場は前年度比98.1%の5,157億円、パチスロ機市場は同68.1%の2,434億円、周辺設備機器は同82.4%の982億円。パチスロ機市場の落ち込み幅が特に大きく、パチスロ機の市場規模は2013年度(4,774億円)から半減した。同社は「メーカーの自主規制により射幸性を抑制させたパチスロ5.9号機の稼働状況が著しく低迷したことで、ホール企業のパチスロ機への投資を強く抑制することとなった」と指摘する。
今後については「2018年の遊技機規則改正の以前から既にパチンコホール経営企業の設備投資は非常に消極的になっており、特に、旧規則機が市場に多く残存する2018年度、2019年度の新台販売は極めて厳しいものになる」と見通した。また、2020年12月末時点のパチンコホール営業店舗数は約9,000店舗、パチンコホール経営企業が保有する遊技機設置台数は約400万台になると予測。2017年末時点の警察庁発表数値と比較すると店舗数は-15%、遊技機設置台数は-10%とそれぞれ厳しい数値となっている。
調査は今年4月~8月に掛けて実施。遊技機メーカー及び周辺機器メーカーを対象に直接面談、電話、メール等によるヒアリングで、パチンコ関連機器市場の実態を調査した。
■過去5年の国内パチンコ関連機器市場規模推移
2013年度 | 2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | |
パチンコ機 | 657,146 | 652,406 | 613,045 | 525,827 | 515,777 |
パチスロ機 | 477,423 | 427,416 | 369,741 | 357,639 | 243,408 |
周辺設備機器 | 175,158 | 153,457 | 148,498 | 119,229 | 98,248 |
合計 | 1,309,727 | 1,233,279 | 1,131,284 | 1,002,695 | 857,433 |
注:メーカー売上金額ベース。単位は百万円