全遊振(曽我部康二会長)は12月21日、都内台東区の上野パークサイドホテルで定期セミナーを開催。業界フリーライターのPOKKA吉田氏が、今年1年を振り返るとともに、今後起こりうる業界動向を予測した。
同氏は、遊技機市場の現状について、認定台数と来年の見通しを述べた。推定の認定台数は前倒しを含めパチンコ約130万台、パチスロ約60万台とし「ザックリいうと、マーケットの半分が認定機となる。この状況をパチンコ業界は経験したことがない。来年は、新台として出てくるのは経過措置型式ばかりで、あまり遊技機市場は代謝しないだろう」と予測した。
また来年前半、業界関係者にとって最も大きな問題として浮上するのが「新基準に該当しないパチスロ機」に関する扱いと予測。「この問題における業界側と警察庁の攻防は来年だろう。警察庁は現状、11月の余暇進の秋季セミナーで一言触れた程度で、まだゴングすら鳴っていない状況。行政がもう一発、強めの言い方をすればゴングが鳴る」と状況を説明した。今後の推移は、その時々の流れしだいとしつつも「警察庁は既に規則改正というカードを切っている以上、業界側もいつもよりは抗えるが、警察庁は警察庁で強い。何れにしても、営業的にも業界動向的にも皆さんにとって最も影響がある」と話した。
セミナー後半では、来年2月1日に施行される新規則に対応した遊技機の動向についても解説。同氏は「新規則機がコンスタントに出てくるのは早くても再来年、下手したら3年後だろう」との見方を示した。その根拠として同氏が挙げたのが前回の平成16年規則改正時のパチスロ市場の動向。規制が大幅に強化された当時のパチスロ市場では、規則改正施行後も、(当時の)旧規則機の販売が経過措置期間ギリギリまで続き、それに反して新規則機の開発・販売が遅滞化していたと説明。その上で、強烈な出玉規制が伴う今回の規則改正においても、多くのメーカーがギリギリまで出玉ポテンシャルの高い経過措置型式(旧規則機)の開発に注力し、新規則施行後も、経過措置型式の販売がメインとなるため、来年(2018年)の新規則機のマーケットは限定的となり、「ホールもメーカーも販社も、経過措置型式に依存してやっていくしかない」と述べた。