パチンコ業界の14団体で構成するパチンコ・パチスロ産業21世紀会は12月25日、報道各社に対し「平成29年における遊技業界のパチンコ・パチスロ依存対策について」と題したリリースを発信。業界が今年1年かけて行ったパチンコ・パチスロ依存問題対策を発表した。
今回、21世紀会が発表した内容は下記の通り。
1.依存問題電話相談体制の強化、対面無料相談会の実施等
パチンコ・パチスロ依存問題電話相談機関「認定特定非営利活動法人リカバリーサポート・ネットワーク」(以下、RSN)は、平成18年4月、全日本遊技事業協同組合連合会の全面支援により設立され、平成23年からは、21世紀会として継続して支援を行っております。平成29年は、RSNへの継続支援に加え、依存問題対策の強化の柱として、RSNの相談体制のさらなる強化・機能拡充に向けた方策を検討し、下記の対応を行いました。①RSNの電話相談対応時間を、従来平日10時から16時までであったところを、平成29年11月1日より22時まで6時間延長しました。また、依存問題以外の相談やクレームに対応するためのRSN支援室を平成27年8月から運用しており、支援室の機能もあわせて延長しています。
②パチンコ・パチスロへの依存問題を抱える人は、経済的問題等も併せて抱えていることが多いため、こうした問題を抱える人等に対して、司法書士や精神保健福祉士等を相談員とする「対面による依存問題無料相談会」を、平成29年10月から、月4回、横浜と東京で継続的に実施いたしております。
③従来から行っているRSN本体への支援と合わせて、今後、上記項目にかかる経費を21世紀会全体で負担することを決定しました。2.ホール現場における「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」制度の運用開始
21世紀会は、依存問題対策の一環として、ホールの従業員が、日々の接客を通じてお客様に安心して楽しく遊んでいただく手助けをしながら、お客様やそのご家族から遊技への依存についての相談を受けた場合には、専門機関を紹介する「安心パチンコ・パチスロアドバイザー(以下、アドバイザー)」制度を創設すべく、平成29年4月より全国各地でアドバイザー講習会を実施してまいりました。
平成29年12月時点で、全国で1万6,000人を超えるホール従業員がアドバイザー講習会の受講を終了しており、平成29年12月19日から全国的に運用を開始しております。
今後、全国で3万人(1ホール当たり3人程度)までアドバイザーを増員することを目指すとともに、現場の意見を反映し取組の充実を図っていく所存です。3.「自己申告プログラム」の改善・強化
「自己申告プログラム」とは、お客様ご自身から1日の遊技上限金額の申込みを受け、設定値を超えたお客様にお知らせする仕組みです。平成27年10月より運用を開始し、平成29年12月1日現在で全国1,831店舗が導入しています。
21世紀会では、本プログラムの改善・強化策を検討し、12月1日付で「自己申告プログラム・家族申告プログラム」の運用を開始いたしました。
新しいプログラムでは、上限金額の申告に加え、「1ヵ月の来店上限回数」「1日の遊技上限時間」「入店制限」が自己申告できるようになり、さらに、本人の同意を前提に家族からの申告もできるようになりました。
これらのプログラムにより、お客様に対して依存問題の予防を図り、「適度に楽しむ遊び」を推進していく所存です。
遊技業界は平成28年のIR推進法施行以降、「ギャンブル等依存症」の問題が社会的に大きくクローズアップされている中で、パチンコ・パチスロ依存問題対策を最優先課題とし、「依存問題電話相談体制の強化、対面無料相談会の実施等」「ホール現場における『安心パチンコ・パチスロアドバイザー』制度の運用開始」「『自己申告プログラム』の改善・強化」に取り組んできた。
21世紀会では引き続きRSNへの支援強化を軸に、「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」「自己申告・家族申告プログラム」等の取組をさらに充実させながら、今後もパチンコ・パチスロ依存問題に取り組み、社会的責任を果たしていくとしている。